クラブで半裸パーティーに、マスクなしでハグや握手。ジョコビッチもコロナ陽性

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23日、男子テニス世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が自身の公式サイトで、新型コロナウイルスの検査で陽性となったことを発表した。

ジョコビッチは、13日と14日にセルビア・ベオグラードで、20日と21日にクロアチア・ザダルで自身が主催する「アドリア・ツアー」を開催。同大会に出場していたグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)が21日に、ボルナ・チョリッチ(クロアチア)が22日にそれぞれ自身のSNSで陽性となったことを発表していたが、ジョコビッチはザダルからベオグラードに移動してから検査を受け、無症状ではあるが陽性が発覚した。


ジョコビッチは以下のようにコメントしている。


「ベオグラードに到着してすぐに検査を受けに行きました。私の結果は(妻の)エレナと同じく陽性でしたが、子どもたちは陰性でした。ここ数ヵ月にしたことはすべて、純粋な心と真摯な意思で行ったことです。私たちの大会は、この地域を通して、結束と思いやりのメッセージをシェアし、団結することを意図していました」


「私たちは、ツアー開催の条件が満たされたと信じて、ウイルスの影響が弱くなった時に大会を開催しました。残念ながら、このウイルスはまだ存在しており、私たちはまだ対処方法や共に生きていく方法を学んでいる最中であるというのが現実です」


「時と共に状況が良くなり、再び以前のような生活ができるようになることを願っています。感染した一人一人の方々には大変申し訳なく思っています。誰もが健康状態が悪くなることがなく、みんなが元気になることを願っています。今後14日間は自主隔離し、5日後に再検査を受ける予定です」


テニスのエキシビションマッチは現在も世界各国で行われている。しかし基本的には無観客で、コート上でもコート外でも不必要な接触を避け、随時消毒するなど対策を講じた上で行われている。


ただ「アドリア・ツアー」では、選手間で距離を取らずに肩を組んだり、マスクもなしにハグや握手をしていた。それどころか、ベオグラードでの大会後には、ナイトクラブで半裸になって騒ぐなどもしていた。またベオグラード、ザダルともに観客をある程度入れていたが、マスクをしている者は少数で、充分な距離を取っているとは言えなかった。


WHOによると、22日時点で累計感染者数はセルビアで12,894人(死者261人)、クロアチアで2,317人(死者107人)。各々の生活があるため他人との何らかの接触機会がある時点で、感染リスクがゼロになることは決してない。ただ、今回の「アドリア・ツアー」では、必要な対策がされていたとは言えない。


テニスは、ボールを介しての感染の可能性はゼロとは言えないが、身体的な接触は少ないスポーツ。ただツアーとなると、世界中の選手たちが各国を転々と移動するため、感染拡大のリスクがある。ATPツアーも3月から中断していたものの、8月14日には対策を講じた上で再開が予定されているが、今回の件がテニス界全体にどのような影響を及ぼすか懸念される。


テニスデイリー編集部)


※写真は「アドリア・ツアー」で少年をハグするジョコビッチ
(Photo by Nikola Krstic/MB Media/Getty Images)