オムツ姿で発見された3歳児(画像は『Bored Panda 2020年6月19日付「“We Don’t Deserve Dogs”: Missing Autistic Toddler Found In The Care Of His Family’s Dogs」(Image credits: Walton County Sheriff, Michael A. Adkinson, Jr.)』のスクリーンショット)

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自閉スペクトラム症を患う3歳の男の子がある朝、森の中にある一軒家から突然いなくなった。男の子はその日の午後遅くに発見されたが、そばに2頭の飼い犬がピタリと寄り添っていたことから無防備な3歳児を守り抜いた犬たちを称賛する声があがっている。『Bored Panda』『WJHG-TV』などが伝えた。            

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米フロリダ州ホームズ郡ポンセ・デ・レオンに住む3歳のマーシャル・バトラー君(Marshal Butler)が今月3日の朝、靴も履かずオムツしかつけていない状態で、突然自宅から姿を消した。マーシャル君は発達障害の一つである「自閉スペクトラム症」を患いコミュニケーションを取ることが難しく、家族は最悪のシナリオを想定しパニックに陥った。

その後、木々が生い茂る自宅周辺を1時間ほど探した家族は「自分たちだけで探し出すのは困難」と判断し、藁にもすがる思いで地元の保安官事務所に通報した。保安官事務所はすぐにFacebookで情報提供を呼びかけ、ホームズ郡とウォルトン郡の保安官、フロリダ州魚類野生生物保護委員会のスタッフや近所の住民らがチームとなり、大がかりな捜索が始まった。

マーシャル君の叔母であるケイラ・スチュワートさん(Kayla Stewart)は、当時を次のように振り返っている。

「私たちはパニックに陥り、心配で怖くて仕方ありませんでした。マーシャルは話をすることができないため、最悪のケースも頭をよぎりました。ただ2頭の飼い犬の“ナラ(Nala)”と“バックウィート(Buckwheat)”の姿が見当たらず、『もしかしたら一緒にいてくれるかもしれない』とそれだけを心の拠り所にしていました。」

そんな家族に嬉しい知らせが飛び込んできたのは、その日の午後遅くのことだった。マーシャル君は自宅から約1.6キロ(1マイル)離れた川のそばで、隣人のキャロル・シェルトンさん(Carol Shelton)によって発見されたのだ。マーシャル君のそばにはナラとバックウィートがピタリと寄り添っていたそうで、キャロルさんはホッとした様子でこう語っている。

「遠くからマーシャル君を発見した時、2頭の犬がすぐそばにいるのが分かりました。“奇跡”という言葉がありますが、マーシャル君には2頭の“エンジェル”が付いていたんだと思います。だってナラとバックウィートはマーシャル君からずっと離れなかったのですから。マーシャル君を守り抜いた2頭には心から感謝しなくてはなりませんね。」

なおウォルトン郡保安官事務所の広報担当であるコーリー・ドブリニアさん(Corey Dobridnia)は、「子供の捜索は1分1秒が命取りになります。我々は常にできるだけ多くのスタッフを集めて捜索にあたるよう心がけています。たくさんの人々の協力でマーシャル君が無事見つかって、本当に嬉しく思います」と述べている。

またケイラさんは、マーシャル君とその“エンジェル役”を果たした2頭の犬について、こう明かした。

「マーシャルは森の中を歩き回ったためかなり汚れていましたが、機嫌はよく怪我もしていませんでした。犬たちはマーシャルが1人で家から出てしまったのを見て、放っておけなかったのでしょうね。助けがやってきてくれるまで、しっかりマーシャルを守ってくれました。犬は忠誠心が強いですからね。本能的に危険を察知したのかもしれません。」

ちなみに2018年6月には米ミズーリ州で、行方不明になった3歳児が飼い犬に守られ12時間後に無事保護された。また2017年2月にはロシアで、氷点下20度の中に置き去りにされた2歳男児を飼い犬が2日間温め続けて命を救っていた。

画像は『Bored Panda 2020年6月19日付「“We Don’t Deserve Dogs”: Missing Autistic Toddler Found In The Care Of His Family’s Dogs」(Image credits: Walton County Sheriff, Michael A. Adkinson, Jr.)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)