電気圧力鍋が料理しない夫を変えた<コロナ禍の家事分担>
コロナ対策の在宅ワークのため、「自炊の負担が増えた」というのは、日本だけでなくアメリカでも同じ。
アメリカ・シアトルに家族3人で暮らすライターのNorikoさん。日本でも話題の「電気圧力鍋」を導入したことで、今までまったく料理をしなかった夫が家事に参加するようになったそう。家事分担の道のりを、詳しくレポートしてもらいました。
アメリカでも自動調理家電が大ブーム
●共働きリモート+子ども休校+外食不可でママが悲鳴
新型コロナウイルス感染防止のため、夫婦ともに3月中旬から自宅でのテレワークが続いています。小学校低学年の息子が通う公立学校も閉鎖となり、家族3人でずっと自宅にこもりきりのまま約3か月がたちました。
学校から山のように出る課題はまだ習っていないことも多く、小学校低学年の子どもが自学自習するには限度があります。親は家にいるとはいえ、普段と同じように仕事をしているわけで、先生役も引き受けて子どもの勉強を見てあげる余裕は正直ありません。
加えて、家族3人分の食事を1日3回+子どものおやつを毎日用意し続けるというのは、なかなかの負担。
近所の散歩は許されていますし、家にいること自体を窮屈には感じず、むしろ通勤や子どもの学校やお稽古の送迎がなくなり、貴重な時間をほかのことに使えるのは有意義とも言えます。
ただ、仕事に家事に子どもの勉強にとトリプルパンチで、そこまで自由な時間があるとは言えず、今までどおりの家事分担では納得がいかないのも事実。「夫には、せめて週末くらい食事をつくってほしい!」というのが本音でした。
夫はアメリカ人にしては珍しく、料理をまったくしようとしません。これまで、友人たちの夫が庭でバーベキューをしたり、凝ったオーブン料理をつくったりする姿を見ても、食事づくりを週半々で分担しているという共働き夫婦の話も聞いても、かたくなに料理を拒んできました。
しかし外食も満足にできないなか、たまりにたまったストレスが爆発寸前となっていた私の態度におののいたのか、夫がネットで注文して購入したのが、近年のアメリカで大人気となっている電気圧力鍋でした。
●男心をくすぐる電気圧力鍋の魅力
これは名前のとおり、従来の火にかけるタイプの圧力鍋が家電になったような商品で、材料を入れてボタンを押すだけで調理できるのがポイント。火を使わないので見張っている必要はなく、圧力での短時間調理がほったらかしのまま完成します。
アメリカではこの2~3年で大ブームに。日本でもパナソニック、ティファール、象印など各メーカーから発売されています。
そんな最新家電がわが家へやって来ました。そして、夫は早速付属の冊子を読み込み、アメリカ家庭料理の代表ともいえる「ポットロースト」(肉の煮込み料理)に挑戦!
アメリカではもともと圧力鍋よりスロークッカーという電気鍋のほうが普及しています。これもまた、ボタンひとつで半日かけて煮込み料理がつくれる、ほったらかし家電のひとつ。電気圧力鍋にも「スロークッカー機能」がついており、煮込み料理であるポットローストにぴったりです。
まず、「ソテー機能」で大きな牛塊肉に焼き色をつけてから、ニンジン、ジャガイモ、セロリ、タイム、塩・コショウ、ブイヨンを放り込んで、スロークッカー機能で約8時間。肉がやわらかく口の中でほどける、ポットローストのでき上がりです。
そして、次の週末も、丸鶏をニンニク、ネギ、ショウガ、塩とともに投入し、「圧力鍋」機能で約30分、「チキンロースト」を調理しました。
この最初の2回は、「まあまあ食べられる」という味。それでも、新し物好きな夫は、子どもが買ったオモチャを実験しながら確かめるように、いろんな機能を試していましたし、私としても「夫の家事参加率を高める」という目的のための大きな1歩、2歩となったので大成功です。
●夫がついに見つけた得意料理!
さらにその次の週末、ビーフ、チキンに続いて3回目はポークにチャレンジ。今回もやっぱり大きな塊肉を使います。「ベビーバックリブ」というアメリカでは代表的なバーベキュー料理で、ロースの骨つき肉を豪快に調理します。
マリネされた肉を圧縮鍋機能で約15分、さらにバーベキューソースを塗ってオーブンに入れて約5分。こんがりと焼けたところを骨に沿ってカットし、かぶりつきます。
「これはおいしい!」と、息子も含め、家族全員が認める味で、夫も満足そう。じつは味の決め手となるバーベキューソースは私がつくったのですけれどね(苦笑)。
これまで一緒に台所に立つことが1度もなかった夫も、コロナ禍での外出自粛を機に、最新キッチン家電を使えるまでになりました。材料を準備して鍋に入れ、スイッチを押すだけ。まったく料理のできない夫にも簡単に使え、時短もかないます。
レパートリーの幅が広がるので、おこもり中に料理に目覚めたという初心者はもちろん、根っからの料理男子にもおすすめ。父の日のギフト候補にもなりそうですね。
【Norikoさん】
アメリカ・シアトル在住で現地の日系タウン誌編集長。フリーランス・エディター/ライターとしても、日米のメディアに旅行情報からライフスタイル、子育て事情まで多数の記事を寄稿する。著書に『アメリカ西海岸ママ〜日本とは少し違うかもしれない、はじめての妊娠&出産〜
』(海外書き人クラブ刊)、共著書に『ビックリ!! 世界の小学生
』(角川つばさ文庫)。
アメリカ・シアトルに家族3人で暮らすライターのNorikoさん。日本でも話題の「電気圧力鍋」を導入したことで、今までまったく料理をしなかった夫が家事に参加するようになったそう。家事分担の道のりを、詳しくレポートしてもらいました。
アメリカでも自動調理家電が大ブーム
アメリカでも大人気の電気圧力鍋。簡単にほったらかし料理が完成!
新型コロナウイルス感染防止のため、夫婦ともに3月中旬から自宅でのテレワークが続いています。小学校低学年の息子が通う公立学校も閉鎖となり、家族3人でずっと自宅にこもりきりのまま約3か月がたちました。
学校から山のように出る課題はまだ習っていないことも多く、小学校低学年の子どもが自学自習するには限度があります。親は家にいるとはいえ、普段と同じように仕事をしているわけで、先生役も引き受けて子どもの勉強を見てあげる余裕は正直ありません。
加えて、家族3人分の食事を1日3回+子どものおやつを毎日用意し続けるというのは、なかなかの負担。
近所の散歩は許されていますし、家にいること自体を窮屈には感じず、むしろ通勤や子どもの学校やお稽古の送迎がなくなり、貴重な時間をほかのことに使えるのは有意義とも言えます。
ただ、仕事に家事に子どもの勉強にとトリプルパンチで、そこまで自由な時間があるとは言えず、今までどおりの家事分担では納得がいかないのも事実。「夫には、せめて週末くらい食事をつくってほしい!」というのが本音でした。
夫はアメリカ人にしては珍しく、料理をまったくしようとしません。これまで、友人たちの夫が庭でバーベキューをしたり、凝ったオーブン料理をつくったりする姿を見ても、食事づくりを週半々で分担しているという共働き夫婦の話も聞いても、かたくなに料理を拒んできました。
しかし外食も満足にできないなか、たまりにたまったストレスが爆発寸前となっていた私の態度におののいたのか、夫がネットで注文して購入したのが、近年のアメリカで大人気となっている電気圧力鍋でした。
●男心をくすぐる電気圧力鍋の魅力
これは名前のとおり、従来の火にかけるタイプの圧力鍋が家電になったような商品で、材料を入れてボタンを押すだけで調理できるのがポイント。火を使わないので見張っている必要はなく、圧力での短時間調理がほったらかしのまま完成します。
アメリカではこの2~3年で大ブームに。日本でもパナソニック、ティファール、象印など各メーカーから発売されています。
そんな最新家電がわが家へやって来ました。そして、夫は早速付属の冊子を読み込み、アメリカ家庭料理の代表ともいえる「ポットロースト」(肉の煮込み料理)に挑戦!
アメリカではもともと圧力鍋よりスロークッカーという電気鍋のほうが普及しています。これもまた、ボタンひとつで半日かけて煮込み料理がつくれる、ほったらかし家電のひとつ。電気圧力鍋にも「スロークッカー機能」がついており、煮込み料理であるポットローストにぴったりです。
まず、「ソテー機能」で大きな牛塊肉に焼き色をつけてから、ニンジン、ジャガイモ、セロリ、タイム、塩・コショウ、ブイヨンを放り込んで、スロークッカー機能で約8時間。肉がやわらかく口の中でほどける、ポットローストのでき上がりです。
そして、次の週末も、丸鶏をニンニク、ネギ、ショウガ、塩とともに投入し、「圧力鍋」機能で約30分、「チキンロースト」を調理しました。
この最初の2回は、「まあまあ食べられる」という味。それでも、新し物好きな夫は、子どもが買ったオモチャを実験しながら確かめるように、いろんな機能を試していましたし、私としても「夫の家事参加率を高める」という目的のための大きな1歩、2歩となったので大成功です。
●夫がついに見つけた得意料理!
さらにその次の週末、ビーフ、チキンに続いて3回目はポークにチャレンジ。今回もやっぱり大きな塊肉を使います。「ベビーバックリブ」というアメリカでは代表的なバーベキュー料理で、ロースの骨つき肉を豪快に調理します。
マリネされた肉を圧縮鍋機能で約15分、さらにバーベキューソースを塗ってオーブンに入れて約5分。こんがりと焼けたところを骨に沿ってカットし、かぶりつきます。
「これはおいしい!」と、息子も含め、家族全員が認める味で、夫も満足そう。じつは味の決め手となるバーベキューソースは私がつくったのですけれどね(苦笑)。
これまで一緒に台所に立つことが1度もなかった夫も、コロナ禍での外出自粛を機に、最新キッチン家電を使えるまでになりました。材料を準備して鍋に入れ、スイッチを押すだけ。まったく料理のできない夫にも簡単に使え、時短もかないます。
レパートリーの幅が広がるので、おこもり中に料理に目覚めたという初心者はもちろん、根っからの料理男子にもおすすめ。父の日のギフト候補にもなりそうですね。
【Norikoさん】
アメリカ・シアトル在住で現地の日系タウン誌編集長。フリーランス・エディター/ライターとしても、日米のメディアに旅行情報からライフスタイル、子育て事情まで多数の記事を寄稿する。著書に『アメリカ西海岸ママ〜日本とは少し違うかもしれない、はじめての妊娠&出産〜
』(海外書き人クラブ刊)、共著書に『ビックリ!! 世界の小学生
』(角川つばさ文庫)。