にじさんじ リゼ・ヘルエスタ&鈴原るる「一緒にラジオができるなんて、不思議な感じ」

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この春、文化放送では、VTuberがパーソナリティを務めるラジオ番組が数多くスタート。
所属の人気バーチャルライバー(VTuber)であるとがパーソナリティを務めるも、毎週日曜日の20時から好評放送中だ。

が2019年3月22日、が2019年4月29日とデビュー時期は近いものの、これまであまり接点の無かった二人は、4月から始まったこの番組を通してお互いのことを知り、着実に仲を深めている。

エキレビ!では、そんな二人の対談を実施。初めてのラジオパーソナリティ挑戦に対する思いや、お互いの印象の変化などを語ってもらった。

パーソナリティなんて自分とは一番縁遠い存在だと思ってた


──お二人はバーチャルライバーとしてデビューする際、どんなことをやってみたいと思っていましたか? また、そのやりたいことの中には「ラジオのパーソナリティ」も入っていましたか?

鈴原 私はにじさんじに入るまで配信とかをしたことがなくて、パソコンにもほとんど触ったことがないような状態だったから、本当にゼロから始めた感じでした。今は歌とか、ラジオとか、いろいろなお仕事もいただいているんですけれど、最初は自分がそういうことをやるなんて、全然想像ができなかったです。

──まずは、大好きなゲームの実況をするのが精一杯だった?

鈴原 そうですね。自分が楽しいことをして、(リスナーの)みんなにも楽しんでもらえたらいいなと思っていました。まさか、リゼ様と一緒にラジオができるなんて、不思議な感じです。私、デビューする前からリゼ様の配信を観ていたので。リゼ様はどう?

リゼ 私はにじさんじに入るまで、特に何もなく日々を生きていたんですけれど(笑)。ある日、にじさんじのライバーさんが(リスナーの)コメントとめっちゃ楽しく会話しながらゲームしているのを見て。私は小さな頃からずっと、コミュニケーションとか人と関わることが本当に得意ではなかったのですが、バーチャルライバーとしてならやれるんじゃないかなと思い、みんなとゲームをするために(にじさんじに)やってきたんです。だから、元々、お話しするのは得意ではないし、パーソナリティなんて自分とは一番縁遠い存在だと思ってました。



鈴原 リゼ様、自分ではそう言うんですけど、話しやすいし、配信を観ていてもトークがすごく上手いイメージだったから、前にでその話を聞いて、意外に思いました。

リゼ ゲームと喋るのは得意なんだよね……(笑)。

──ちょっと悲しい話に聞こえますね……。

鈴原 ゲームのテキストを読んだりしながら、やるのが得意ってことだよね?

リゼ そうそう。だから、ライバーとしての活動は楽しくできるかもしれないと思ったんだ。でも、一人で何もないところで喋るとか、人間と喋るとかは本当に不得意です。

鈴原 コメントを書いてくれてるリスナーさんも人間だよ(笑)。

リゼ そうなんだけど(笑)。だから、雑談枠とかは今も苦手です。でも、そんな状態なのに、ラジオのパーソナリティをやれている……のかはわからないですが、なんとか形になっているのは奇跡みたいな感覚です。


二人でラジオ以外でも一緒に何かできたら良いね、とか話してる


──リゼさんも鈴原さんも、ラジオが始まるよりも前から、配信中に「雑談が苦手」と話していました。私も二人の配信を楽しんでいるリスナーの一人なのですが、雑談が下手という印象は全然なくて。二人ともトーク力に対する自己評価がすごく低いんだなと感じていました。きっと同じように感じているリスナーも多いと思います。過去に、そこまで自己評価が低くなるきっかけ、辛いことでもあったのですか?

鈴原 過去の闇を探るんですね(笑)。

リゼ あはは(笑)。

鈴原 私は元々、小さい頃から人と話すのが得意ではなくて。のですが、自己紹介とかも本当に苦手。入学したり、新学期になったりした時の自己紹介とかで、みんなから注目を浴びた瞬間に「あ……あ……」ってなって。ずっと考えていた言葉が頭から飛んで、何も言えなくなっちゃうんです。だから、「私はこういうこと苦手なんだな」ってイメージがずっと付いていて。率先して喋ることもあまりなくなって、ますます自信がなくなっちゃった感じかなあ……。

リゼ 私は世間一般で言う「陽キャ」な人に話しかけられると、「あ……あ……」って(「千と千尋の神隠し」の)カオナシみたいになっちゃうので。たぶん臆病なのかな。メンタル的にそういうところがあって、人間が怖いです(笑)。

鈴原 わかるー。人間、怖い(笑)。

──「陽キャ怖い」が「人間怖い」にまで拡大しているのですね(笑)。そんなお二人は、一緒にラジオのパーソナリティをするという企画を打診されたとき、どのような気持ちになりましたか?

鈴原 単純にすごく嬉しかったです。でも、それと同時に不安も大きくて。「喋るのが苦手な私にできるのかな?」って思いました。

リゼ このラジオのお話をいただく前に、という別のラジオで、。やっぱり、ラジオができる人ってカッコいいなって思ったんです。美兎委員長は、にじさんじの中でも屈指のフリートーク力の持ち主なので。

──経験豊富なラジオパーソナリティのようでしたね。

リゼ にじさんじとかバーチャルライバーとか関係なく、「月ノ美兎すごい!」みたいな感じでした。そのすごさを目の当たりにして、私もこういうことができるようにならなきゃダメだって思ったんです。その何か月か後に、このラジオのお話をいただいたので「良い挑戦の機会かもしれない!」と思って、やらせていただくことになりました。あと、一緒にパーソナリティをやるのが、るるちゃんだったのも嬉しくて。私とるるちゃんってデビュー時期は近いのに、これまで交流する機会が全然なかったので。

鈴原 そうだよね。

リゼ これを機会に仲良くなれたらいいなと思いました。私、人見知りなので、何のきっかけもないのに、いきなりるるちゃんに「こんにちは!」とはいけないから(笑)。

鈴原 お互いに自分からガツガツいくタイプじゃないから。こういう機会がなかったら、この先も絡み合わなかったかもしれないし……。でも今は、二人で「ラジオ以外でも一緒に何かできたらいいね」とか話したりできるようになりました。私もすごく嬉しいです。

──番組の正式な打ち合わせなどが始まる前に、二人で連絡を取ったりもしましたか?

リゼ まだ確定していない段階から、速攻でメッセージを送りました。

鈴原 うん、リゼ様から届いた。

リゼ 「る、るるちゃん、私と一緒のラジオの話、どう? 私は、もし私が一緒でよかったらって思うんだけど……」みたいな内容だったので、リアルに気持ち悪かったと思うんですけど。

──「断らないでね」みたいな意味ですか?

リゼ 違う違う! 圧をかけたわけじゃないですよ(笑)。

鈴原 すごく丁寧な文章で来ました。むしろ、リゼ様の方こそ、「私と一緒でいいのかな?」と思っていたので本当に嬉しくて。お話をいただいた時から一緒にできたらなと思っていたし、実現してよかったです。

リゼ 最初は、ワクワクも緊張もあったよね。

鈴原 めちゃめちゃ緊張した〜。今は最初の収録の時に比べると、自然にできているのかなって。

リゼ るるちゃん、最初はかしこまってたけれど、今は、ほどよくほぐれてきた感じがある。

鈴原 共通の趣味も見つかって。「あ! 一緒のところある!」って親近感が一気に湧いてきました。

──で、二人とも「HUNTER×HUNTER」が好きと知り、すごく盛り上がっていましたね。

リゼ 「HUNTER×HUNTER」が私たちを結びつけてくれたよね(笑)。

鈴原 うん。大好きだから、リゼ様も好きって聞いて本当に嬉しかった!

るるちゃん、初配信の時は、ゲームやりそうな感じじゃなかった


──では、「リゼるる」で共演する前のお互いの印象を教えてください。

リゼ るるちゃんは、モンスターですね。

鈴原 あはは(笑)。来た、モンスター。

リゼ るるちゃんのの印象って、今でこそ信じられないんですけど、そんなにゲームをやりそうな感じじゃなかったんですよ。だから、初配信が終わって本格的に配信を始める時、最初のゲームにを選んでるのを見て、「おいおい、大丈夫? そのゲームかなりシビアだと思うけど!」ってドキドキしてました。


──難易度の高いレトロゲームですから、みんな驚いたと思います。

リゼ でも、なんか「あ、死んじゃったな〜。じゃあ、もう1回」って、一生やってて(笑)。「嘘だろ、この子!」って、めっちゃびっくりした記憶があります。

鈴原 最初の配信から観てもらえていたのは嬉しいな〜。ここに来て、新たな情報を知りました。でも、私もリゼ様の初配信、リアルタイムで観ていたんですよ。

リゼ え? マジで?

鈴原 うん。私は、リゼ様の次の次の代でデビューすることになってたから、参考にしたいというのもあって観ていたんだけど。まず第一印象は、本当に声が可愛いなって。

リゼ えー。

鈴原 あと、すごくしっかりしてて。「これは皇女様だ!」って思った。

リゼ 嬉しいー。でも、そのイメージ、もう崩れてそう(笑)。

鈴原 ううん、リゼ様は初配信の時からずっとイメージが崩れてない。

リゼ 本当に? なんだか嬉しいな。「初配信の時は、こんな陰キャだとは思わなかった」とか言われたら、傷ついて帰るところだった(笑)。

鈴原 それは私の方だよ〜。

リゼ そんなことないよ。るるちゃん、モンスターだなとは思ったけれど、陰キャだと思ったことはないよ。

鈴原 モンスター過ぎて、人と接したりするのは難しいなって思っちゃう……。

リゼ あ……私もモンスターって言っちゃったし、ライバーやリスナーさんからも、よくネタにされてるけど。るるちゃん、ちゃんと普通の女の子だよ! あ、「ちゃんと」って(笑)。

──普通の女の子には、なかなか言わない言葉ですね。

鈴原 すごくフォローしようとしてくれてる(笑)。

リゼ でも、本当にすごく親しみやすいけどなあ。

鈴原 よかった。全体的にそういうイメージが付いてるから、絡みにくかったりしないかなって、最初は若干心配だったんだよね。

リゼ 絡みにくいなんてことは全然ないよ〜。

鈴原 嬉しい。そう言ってもらえると本当に安心する。よかった、普通に人間だと認めてもらえて。

リゼ あまりにも業の深いセリフで、ちょっと震えるんだけど(笑)。



「リゼ様、この映画も観るんだ!」と思って、嬉しくて


──ラジオでお互いのことを知っていき、共通の趣味が見つかったりもしましたが、その他にも気になっていることなどはありますか?

鈴原 これは本当に共通していることなのかわからないのですが、もしかしたら、リゼ様もそうなのかなって、気になっていることがあって……。

リゼ なになに?

鈴原 以前、リゼ様がやってるのを観たことがあって。

リゼ うん、やったやった。ゾンビの映画(「ゾンビーワールドへようこそ」)だよね。

鈴原 そうそう。あと、リゼ様がお家で飼ってるペットのライオンちゃんの名前がジルで。

──ニャーと鳴いて、ゲームのケーブルとかをかじったりする可愛いメスライオンですね。

鈴原 あの名前って、(ゲーム)「バイオハザード」の(キャラクターの)ジル・バレンタインから取ってるんでしょ?

リゼ うん。よく知ってるね。

鈴原 だから、リゼ様も私と同じで、ゾンビ好きなのかなって。

リゼ え? ゾンビ? その流れからゾンビ好きに繋がるの?(笑)

──「バイオハザード」は、ゾンビと戦うゲームだからってことですかね。

リゼ 「バイオ」が好きかどうかじゃなくて、ゾンビが好きかどうかって話になるんだ(笑)。

鈴原 ゾンビ映画を観てたし、「バイオ」も好きみたいだから、私と同じでゾンビが好きなんじゃないかなって……。

リゼ ゾンビは好きっていうよりも倒す側かも。でも、緊迫感があるパニック系のものは好きだから……そっか、私、ゾンビが好きだったんだ……。

鈴原 そうだよ、うん! 私もリゼ様もゾンビが好きって共通点を今、新発見しました!

──リゼさん自身は戸惑いもあるみたいですが。

リゼ 私、ゾンビを好きだったのかもしれないです……(笑)。

鈴原 あはは(笑)。私はゾンビ映画が大好きで、B級も含めて、かなりたくさん観ているし、リゼ様が配信で見てた「「ゾンビーワールド(へようこそ)」も観たことがあったんですよ。だから、「リゼ様、この映画も観るんだ!」と思って、ちょっと嬉しくて。

リゼ るるちゃんは、ホラーも好きだって言ってたよね。

鈴原 うん。でも、リゼ様、ホラーは苦手でしょ?

──ホラーゲームの配信を観るかぎり、かなり苦手そうですね。

リゼ はい。ホラー映画は、ホラーゲームよりも嫌です。

鈴原 それなのに「バイオハザード」は好きそうで、ゾンビ映画を観てるし。ホラーはダメでも、ゾンビだったらいけるのかなって。

リゼ るるちゃんは、なぜ私の恐怖ラインの限界を探ろうとしてるの?

鈴原 リゼ様、どこまでならいけるのか知りたいなって(笑)。

リゼ そんなチキンレース、嫌だ(笑)。るるちゃんの抑えきれない好奇心をどうコントロールしていくかが、今後の私の課題だと思います。私から見たるるちゃんの印象は、あまり変わっていなくて。最初のゲーム配信を観た時には大きなびっくりがあったけど、一緒にラジオを始めてからは「やっぱり鈴原るるさんだ」って感じですね。

鈴原 変わらないのは嬉しいな……って、あれ? 喜んでいいのかな? 私、人間?

リゼ 大丈夫、大丈夫、るるちゃんは人間だよ(笑)。

鈴原 よかった(笑)。
(丸本大輔)