在宅ワークでも使える? Web版Office「Office Online」のメリットとデメリット

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新型コロナウイルスでテレワークをしている人も多いが、在宅といえども仕事となれば必要となるのがマイクロソフトのOfficeソフトだ。

在宅ワークに個人のパソコンを利用している場合、パソコンにOfficeソフトがインストールされていないこともある。

そこで利用したいのが無料で利用できるWeb版「Office Online」だ。
このWeb版「Office Online」は、
・在宅ワークでも利用できるのか?
・有料版と何が違うのか?
確認してみよう。


■無料で使えるOffice Onlineとは?
通常利用している有料版のマイクロソフトOfficeは3種類ある。
・Microsoft 365 Personal      1万2,984円/年
Office Home & Business 2019  3万8,284円(永久ライセンス)
Office Personal 2019        3万2,784円(永久ライセンス)

Microsoft 365 Personal(旧Office 365 Solo)は、
PowerPointに加え、Word、Excel、Outlook、Publisher、Accessが利用できるほか、1TBのOneDriveオンライン ストレージが付属する。WindowsパソコンやMac、タブレットスマートフォン(Windows、iOS、Android)をサポートしており、同一ユーザーであれば、5台までサインインできる。
Office Home & Business 2019は、Word、Excel、PowerPoint、Outlookが利用できる。同一ユーザーであれば、2台のWindowsパソコンまたはMacで使用でき、追加料金は発生しない。

Office Personal 2019は、Word、Excel、Outlookが利用できる。同一ユーザーであれば、2台のWindowsパソコンで使用でき、追加料金は発生しない。PowerPointやOutlookを必要としない人にお得なものとなっている。

なお、Office 365は2020年4月22日、Microsoft 365に名称が変更されている。


Microsoft 365 Personalは、1TBのOneDriveオンライン ストレージ付だ。


Office Onlineは、上記の3つのOfficeソフトとは異なり、
・無料で利用できる
・インターネットに接続されたパソコンであれば利用できる
・Webブラウザーで利用できる
こうした特徴を持つ。

Office Onlineで使えるアプリケーションは、
・Word
・Excel
・Power Point
・Outlook
・OneNote
このように業務で必要なアプリケーションが一通り揃っている。
また有料版Officeで作成したファイルの閲覧・編集も可能となっている。
Office Onlineで作成・編集したファイルは、オンラインストレージ「OneDrive」に保存されるので、インターネット接続できる場所であれば、どこでも利用することができる。


マイクロソフトは、ネット環境で利用できるOffice Onlineを提供している。


いいことずくめに見えるOffice Onlineだが、無料なので当然、制限もある。
Office Onlineの制限は、
・機能の一部が使えない
・インターネット環境が必要
・通信速度によっては作業に影響がでる

Office Onlineは有料版と異なり、
・使えるテーマが少ない
・Excelでグラフの種類が少ない
・PowerPointでサウンドを追加できないなどの制限がある。

Office Onlineは、インターネット接続ができないと利用できない。
アプリケーション、データをオンライン上に置いて作業するため、利用するにはインターネット環境が不可欠となる。

インターネットに接続しながら作業するため、通信速度にも注意が必要だ。
通信速度が遅いと、Officeファイルの作成・編集作業が重くなり、作業効率が下がったり、ストレスになったりする。


One DriveにOfficeファイルを保存しておけば、どこでもOffice Onlineで編集できる。



Office Onlineの使い方
Office Onlineを利用するには、マイクロソフトアカウントが必要になる。
アカウントを持っていない人は、最初にアカウント作成する必要がある。

アカウントの作成する方法は、
Office.comのサイト(https://www.office.com/)にアクセスする
・「無料でサインアップ」をクリックする
・「アカウントの作成」が表示される
・画面の指示に従ってアカウントを作成する。


マイクロソフトのアカウントがあれば、サインインですぐにOffice Onlineを使用できる。


Office Onlineの使い方は、
Office.comサイトにアクセス
・メールアドレスとパスワードを入力してログインする
Officeのトップ画面が表示される
あとは使いたいOfficeアプリケーションを選択する。

Office Onlineの Word
基本的な機能は有料版と変わらない。
実際に使用してみたが、報告書やレポート作成する程度であれば、不自由することはないだろう。

リボンで表示される機能は、有料のWordに比べる少ないが、簡単なビジネス文書を作成するには十分と思われる。研修のお知らせなど、問題なく作成できた。


Office OnlineのWordの画面。有料のWordに比べると、ホームに表示される機能は少ないが、不自由はない。



有料のWordの画面。Office Onlineに比べて、リボンに表示される機能が多い。


Office OnlineのExcel
Excelも、基本的な機能は有料版と同じだ。
表の作成、データの集計や平均など、簡単な表計算は問題なくできる。
有料版Excelで作成したファイルの編集もでき、グラフ反映も問題なくできた。

有料版との違いだが、Office Onlineでは新しいグラフを挿入すると、グラフスタイルの選択ができないため、元ファイルと同じグラフが作成できないことがある。


Office OnlineのExcelの画面。数値を変更すれば、その数値がグラフにも反映される。



有料のExcelの画面。リボンに表示される機能の数が異なる。



Office OnlineのExcelでグラフを作成してみた。新たに作成した円グラフは、シンプルなグラフとなった。


Office OnlineのPowerPoint
PowerPointも基本的な使い勝手は有料版と変わらない。
画面の切り替えやアニメーション処理も問題なくできる。

Office Onlineでは、有料版PowerPointのようにリアルタイムでの確認ができないが、スライドショー表示で確認が可能なため実務的な問題はないだろう。


Office OnlineのPowerPointの画面。プレゼン資料を製作するのに問題はなかった。



有料のPowerPointの画面。Office Onlineに比べて、リボンの機能は多く表示される。



Office Onlineは、インターネット環境がないと使えなかったり、使えるテーマや機能に制限があったりするが、有料版のオフィスファイルの編集も可能と、在宅ワークでも十分に使えるだろう。
なにより無料で利用できるので、自宅ワークで個人のパソコンを利用する際にも追加費用なしで利用できるのは大きなメリットだろう。

在宅ワークなどで、マイクロソフトOfficeのファイルを扱う必要があるなら、
一度、試してみるとよいだろう。

Office Online


ITライフハック 関口哲司