知っていれば使える便利な機能!

 新車を購入して、そのデザインや走行性能に大満足している人は多いと思うのだが、最近のクルマの機能は多彩。納車時の担当セールスによる使い方説明も、機能のすべてを網羅することは、時間的にも不可能と言っていい。あとは自身で、分厚い取扱説明書とにらめっこするしかない。とはいえ、それをしなくても、走ったり使うことはできるから、多くの人は愛車の持つ機能をすべて把握しているとはいいがたい。

1)ヘッドライトウォッシャー

 たとえば、せっかく愛車に付いているのに、意外に使われていない便利機能、装備として、ヘッドライトウォッシャーが挙げられる。雨の日に悪路を延々と走らない限り、ヘッドライトが汚れまくって照射がままならないことなどまずない。そのため愛車を所有している間、一度も使わない人もいるはずだ。

 ただし、夜間の前方視界を100%確保するには、ヘッドライトの汚れを除去したほうがいいに決まっている。ヘッドライトウォッシャー機能の有無を確認し、あれば雨や雪の日に積極的に使いたい。

2)シートポジションメモリー

 複数のドライバーが運転するクルマにとって便利な装備が、シートポジションメモリー。自身の最適なシートポジションに加え、家族のシートポジションを記憶してくれる機能だ。たとえばシートポジションメモリーの1〜3のボタンを押すことで、それぞれのシートポジションに自動でセットしてくれるのだ。

 まぁ、自分しか運転しないというなら不要の機能だが、家族も使うということなら、機能を説明してセットしておくと、いちいちシート調整をせずに済むから便利。車種によってはドアミラーなどの位置も合わせてメモリーできたりする。

3)パドルシフト

 パドルシフトも、機能の勘違いで使われないことが多い機能だろう。そう、パドルシフトはスポーティーな運転をするためだけにある、という誤解である。たしかに、ステアリング左右の+と−のレバーを操作することでシフトダウン、アップすることができ、活発な運転に有効だ。が、同時によりスムースな加減速が行える機能でもある。

 高速道路を走っていて、前車が減速。そんな時に、下手にブレーキを踏むより、パドルシフトのシフトダウン(−)スイッチを操作することで同乗者にもやさしいスムースな減速が可能。力強い加速力が必要なときも同様だ。ブレーキパッド、ローターの減りを低減してくれる効果もあったりする。

一度使ってみると手放せないほど便利な機能も

4)ハンズフリー電話機能

 じつはわが家の愛車でも、新車購入時からしばらくして装備に気づき、使い始めた便利機能のひとつが、ハンズフリー電話機能。それまでは有線の携帯電話用イヤホンを使っていたのだが、ある日、ステアリングに電話ボタンがあることを改めて発見。使ってみるとじつに便利で、わが家のクルマの場合、ブルートゥースで接続した携帯電話に電話がかかってくると自動接続。運転席まわりのスピーカーとマイクで通話ができる。

 また、ステアリングスイッチを押すとナビ画面に電話番号のメモリーが表示され、たとえば家族の携帯電話、警察、消防、自動車保険会社の電話番号をメモリーしておけば、一覧で表示される。そこからワンタッチで電話がかけられ、ハンズフリー通話をすることが可能。緊急時にはとくに便利だから、装備されていれば、運転中のスマホ操作が禁止されている今だからこそ、ぜひ活用してほしい。

5)ブレーキオートホールド

 ブレーキオートホールドという機能も、わが家の愛車でつい最近になって使い始めた、気づけば超便利な機能だ。信号待ちや渋滞時などで、ブレーキを踏み続けていなければならない場面で、あらかじめブレーキオートホールドスイッチをONにしておけば、いったん、ブレーキを踏んだあと、ブレーキペダルから足を離してもブレーキ機能が維持されるからラク。

 作動状態はスイッチの点灯、メーター内の作動アイコンなどで確認できる。今ではなくてはならない走行時の便利機能として、常時、ONにして使っている。これもまた、新車購入時に、担当セールスが積極的に説明してくれないこともありそうな、隠れた便利機能のひとつだろう。

6)ワイパーの作動間隔調整 7)アダプティブクルーズコントロール

 そのほかにも、ワイパーの間欠機能の作動間隔調整や、高速走行時の安全と快適度、渋滞時の肉体的疲労低減に大きくかかわるACC(アダプティブクルーズコントロール)も、せっかく装備されていても、使わないユーザーが多いそうだが、もったいない。使い方に自信がないなら、担当セールスにしっかりとレクチャーしてもらうといい。

 高速走行でペダル操作から解放され、前車と安全な距離を保って追従走行してくれるだけでなく、渋滞追従機能があれば、頻繁なペダル操作を必要となる渋滞時にもペダル操作が少なくて済み、これほど助かる機能もないのである。

 そんなわけで、今一度、クルマのカタログや取扱説明書をじっくり見てみると、これまで気づかなかった便利機能の発見があるかもしれない……。その便利機能にお金を払っていることも、忘れずに。