すべての乗用車のナンバーに封印がある

 公道を走るクルマすべてにナンバーがついて付いているが、リヤの左上だけに封印がある。なぜ封印があるのか? ナンバーを簡単に交換できないようにするためのものというのはわかるだろう。だが、ではなぜ簡単に交換できないようにするのか、正確なところは答えられない人も少なくないだろう。

 まず盗難防止というのは目的のひとつではある。ただし、軽自動車には付いていなくて、洗車にこだわるときなどに外しても問題はまったくない。しかし普通車の封印を外して、公道を走ると違反(50万円以下の罰金)になるので注意が必要だ。

普通車は国が厳密に管理している

 この違いはなにか? 普通車の封印については、道路運送車両法によると自動車登録番号を登録簿に記載したもの以外は運行してはいけないという規定があって、その番号は車体に掲げて封印するとある。登録簿に載せるというのは、扱い的は土地や建物を登記するのと同じく、国が管理する厳密なものなので、ナンバーが外されたり、交換されないように封印がされる。

 一方、軽自動車と小型二輪自動車(250cc超えのバイク)は自動車であっても除外されるともあり、これらは国に登録はされず、行為としては軽自動車検査協会への届け出にすぎない。届け出したときの番号をかかげているだけなので、軽のナンバーには封印が不要というわけだ。普通車のことを「登録車」、軽自動車のことを「届出車」とも呼ぶのはこれが理由。ちなみに最近は軽自動車の新古車を届出済み未使用車とも言うが、この「届出済み」というのは同様の由来である。

 このように大切な封印の頭をよく見ると、漢字が刻印されているのはご存知だろうか。「東」などで、これは都道府県名の頭の一文字を取ったもの。複数ある場合は山梨や山口のように二文字表記となる。そうなると47種類かと思うと、じつはは53種類。なぜかというと運輸支局が北海道だけ7カ所もあるからだ。

 つまり正確には刻印の文字は都道府県毎ではなく、陸運支局の所在地を表しているということ。東京も練馬や足立など、複数あるじゃないかと思うかもしれないが、これらは自動車検査登録事務所と呼ばれ、台数が多いに対応するための出張所みたいなもの。東京の陸運支局は品川ナンバーを管轄する東京運輸支局だけなので、「東」しかないのだ。