天海祐希

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 2020年1月からスタートするドラマでもっとも注目を集めるのは、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』だろう。沢尻エリカの降板で急きょ、川口春奈を代役に迎えて撮り直し、初回放送が2週遅れとなるなど、放送前からトラブルが続いた。

【貴重写真】バブリーなコートを羽織って『ドクターX』の打ち上げに参加した米倉涼子

 だが、別の理由で話題と期待を集めているのは、天海祐希が主演する『トップナイフ―天才脳外科医の条件―』(1月11日〜、日本テレビ系)だ。「手術の天才」が集う東都総合病院・脳神経外科を舞台に、“手術はすべて成功して当たり前”という世界で葛藤する深山瑤子(天海)ら医師の姿を描く医療ドラマだ。

天海祐希主演での構想が10年前からあった

 脚本を手がける林宏司氏は、『BOSS』『離婚弁護士』『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』『医龍 Team Medical Dragon-』(すべてフジテレビ系)などの人気ドラマを生み出したヒットメーカー。

「『トップナイフ』は林氏が10年ほど前から取材し、天海が主演することを念頭に置いて練っていた企画だそうで、12月26日に発売された同名の初小説も好調なすべり出しです」(テレビ誌編集者)

 この『トップナイフ』をはじめ、1月期のドラマは医療ものだけで6本。同ジャンルの多さについて、スポーツ紙記者は次のように話す。

「過去のドラマを見ても、医療ドラマでの失敗作はなし。米倉涼子が主演した『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日系)の圧倒的な人気が続いていることを考えても、制作サイドが医療ドラマへ寄せる期待は大きいです」

 ちなみに、他の医療ドラマ5本は次のようなラインナップだ。

【1】『アライブ がん専門医のカルテ』(1月9日〜、フジテレビ系)
 がんに立ち向かう2人の女医(松下奈緒・木村佳乃)が迷いや秘密を抱えながらも生き抜こうとするメディカル・ヒューマンドラマ。

【2】『恋はつづくよどこまでも』(1月14日〜、TBS系)
 円城寺マキの同名コミックをドラマ化。女性の新米看護師・七瀬(上白石萌音)が、超ドSな男性ドクター(佐藤健)に恋をして、奮闘するラブコメディー。

【3】『病室で念仏を唱えないでください』(1月17日〜、TBS系)
 原作はこやす珠世の同名コミック。僧侶で救命救急医という異色の主人公・松本照円(伊藤英明)が、生死のはざまで葛藤する姿を描く。

【4】『心の傷を癒すということ』(1月18日〜、NHK総合)
 PTSD(心的外傷後ストレス障害)研究のパイオニアである精神科医・安克昌氏の実話をもとに、険しい道をともに歩んだ夫婦の絆、彼が寄り添った被災者らとの「心の絆」を描く。主演は柄本佑。

【5】『病院の治しかた〜ドクター有原の挑戦〜』(1月20日〜、テレビ東京系ほか)
 スピードスケート選手・小平奈緒が所属する相澤病院が、倒産の危機から復活を遂げた実話をもとにした医療ドラマ。小泉孝太郎が演じる有原修平は、病院の経営を継続させるべく数々のしがらみや既得権益を切り捨てていく。

 昔から刑事ドラマと医療ドラマは安定した人気を誇っていたが、ここ数年は供給過多と思われるほどの数だ。特に、『相棒』(テレビ朝日系)、『ドクターX』という最強コンテンツの登場で、まさに“失敗しないドラマ”のジャンルに住み分けされている。

「医療ドラマはシリーズ化されやすく、また、視聴者にとっても病気は自分と切り離せないテーマですから、関心が高い。しかも、『白い巨塔』のように、医学界の裏側には常に“闇”がありますから、興味は尽きないということです」(同前・テレビ誌編集者)

 はたして、ドクターXの大門未知子を凌(しの)ぐ強烈なキャラクターを持つ医師は登場するのか──。

(取材・文/小窪誠子)