個人的な話でまったく恐縮だが、Jタウンネット記者が三重県を旅行していた時の体験だ。

某レジャー施設を訪ねたところ、閉園時間まであまり時間がないことが分かった。残念ながら入園をあきらめ、どこかおすすめの場所はないかと聞いてみた。入口にいた係員は首をかしげ、しばらく考えた挙句、口にしたのは......。

「横山展望台、はどうでしょうか?」

読者は「横山展望台」という名を聞いたことがあるだろうか。Jタウンネット記者は、誠に恥ずかしながら、初めて聞いた。どこ、それ?

三重県にある志摩半島一帯は伊勢志摩国立公園に指定されている。英虞湾、的矢湾などのリアス式海岸が形成する絶景エリアとして知られている。名高い観光スポットも多いが、横山展望台とは??

まあ、行くだけ行ってみよう、そんな感じで、車を走らせた。あまり期待してはいなかった。ところが、その予想は見事に裏切られる。

下の写真が、横山展望台からの絶景である。こんな絶景、めったに見られるものではない。午前中に参拝した伊勢神宮のご利益が早くも......、と感謝したほどだ。


横山展望台から英虞湾を望む(写真はすべてJタウンネット記者撮影)

ミシュラングリーンガイド「一つ星」の絶景スポット


天空カフェテラスで至福のひと時を

横山展望台は志摩市阿児町の小さな山の中にある。車を駐車場に停め、天空カフェテラスの展望テラスまで登ってみた。英虞湾に浮かぶ約60の小島と、折り重なるようにくねくねと突き出した半島が広がっている。

展望休憩所のカフェコーナー「Mirador Shima」(ミラドール志摩)で、温かいカフェラテ、抹茶ラテなどを飲みながら、夕暮れの志摩の海を眺める。眼下に見えるのは、伊勢志摩サミットの会場となった賢島だ。午後4時頃、空に浮かぶ白雲はうっすらと赤く染まろうとしていた。まさに至福の一時だ。

後日(2019年12月6日)、横山展望台を管理運営する横山ビジターセンターの担当者に話を聞いた。

「近ごろ、SNSの話題として取り上げられるようになって、訪れる方が増えてきました。バイクのツーリング中に立ち寄られる方や、ペットを連れて来られる方もいらっしゃいます。展望テラスを活用したイベント、ジャズやクラシック音楽の演奏会やヨガ、自然観察会なども開催されています」

横山展望台はミシュラングリーンガイドで一つ星を獲得しており、トリップアドバイザー「旅好きが選ぶ!日本の展望スポットランキング2017」で全国10位にランクインしたという。

それにもかかわらず、知名度がいま一つなのが不思議なくらいだ。

ツイッターには、こんな声が寄せられている。

「しっかり海も抜けて見えてキレイだったわ」
「伊勢志摩国立公園のリアス海岸を見下ろす開放的なテラスで、感動を分かち合うお手伝い」
「リアス式海岸が美しい。天空カフェテラスからさらに上へ5分ほど歩いた先にある『そよ風テラス』からの眺めが抜群」

横山ビジターセンター担当者におすすめの時間帯を聞いてみた。

「朝早い方がきれいに見えると思います」

Jタウンネット記者が見た夕暮れの光景も素晴らしかったが、朝早い時間帯のテラスから眺める英虞湾の絶景はまた格別らしい。伊勢志摩には見どころがたくさんあるが、横山展望台を忘れてはいけない。