【ファンキー通信】今求められる、本当の「リアル」ってなんだ?

写真拡大

 去年公開された映画『真夜中の弥次さん喜多さん』。人づてに聞いた話をあたかも自分が見てきたかのように話すことが多い江戸を飛び出し、「リアルってなんだ?」と本当のリアルを求めてゲイの二人が旅をする映画だ。若者を中心に大ヒットした。

 今の若者はリアルを求めているのである。ファッション誌を見ても「ストリートのリアルファッション」「OLのリアルクローズ」などと、読者の要求に応えるようにリアルなスタイルを提案している。

 でもリアルってなんだろうか? リアルビューティーを提唱するヘア・スキンケアブランド、DOVEのホームページでは、自らに自信のある強い女性をモデルとし、我々に「本当の美とはなにか?」と訴えかけている。

 ホームページを開くと白髪の女性が現れる。そして、「白髪」or「華やか」という質問が我々に突きつけられる。その白髪の女性は、いかにも自分に自信があり、一般的にはマイナスともいえるような「白髪」でさえもチャームポイントにしてしまっているのである。確かに白髪の女性ではあるが、その自信に満ちあふれた表情に思わず「華やか」という選択肢を選んでしまう。その質問についての集計結果を見てみると、「華やか」と答えた人が「白髪」と答えた人数を大きく上回っているという結果になっている。

 DOVEによると、本当の美しさというのは自らの内から発せられるものであるという。借り物の美しさを身につけているだけでは、本当の美しさは得ることができないのである。

 メディアから大量に流される情報、栄えては廃れていく流行。それを自分に合ったもの、価値観が似通ったものを選択し、見極めるための力、自分の確固たる軸というものが必要なのだ。これはファッションだけの話ではない。ニュース報道においても、自分の軸を中心にして、正しい情報を選択できるようにならなければ、リアルをつかみ取ることはできないということではないだろうか。(加藤克和/verb)

■関連リンク
真夜中の弥次さん喜多さん