「エンドレス婚活」に陥るエリート男性の特徴
“好条件”のエリート男性たちが婚活を続ける理由とは(写真:Kazpon/PIXTA)
今回のテーマは、「エンドレス婚活」。お見合いの申し込みが数えきれないほどあるという“好条件”の男性たちが結婚できずに何年も婚活を続けてしまう原因について考えます。
「エンドレス婚活」、これは結婚相談所業界の“あるある話”です。エリート男性で年収も高い。1日に5人、毎月150人ぐらいお見合いのお申し込みが来る。にもかかわらず成婚に至らない。いくつも相談所を渡り歩き、婚活が長期化してしまう現象です。確かに本人にそうなってしまう原因があるのですが、エンドレス婚活を放置している結婚相談所側にも原因があると私は考えています。
200人お見合いしてもダメだった
あるエリート男性のKさん。30代半ばで国立大学大学院修了、年収800万円以上。婚活市場では間違いなく“いい条件”です。お見合いのお申し込みはたくさん来るので、毎週土日に3〜4人ずつお見合いを続けてきました。弊社に来るまでに何人とお見合いしたか聞いたら、なんと200人だそうです。200人とお見合いしていてなぜ結婚できなかったのでしょうか。
この連載の一覧はこちら
それは、女性をぱっと見で判断しているから。なまじ条件がいいので、お見合いの申し込みの中にはモデルのようにきれいな女性もいます。そうすると、もっといい女性がいるんじゃないか、もっと自分にふさわしい女性がいるんじゃないかと考えてしまうようです。
それで女性としっかり向き合うことなく雰囲気だけを見て好き、嫌いを判断してしまう。結婚はその人の人間性や結婚観、人生観にまで関心を持たないと決まりません。
エンドレス婚活に陥る人はたいてい一流大学を出ていて頭がいいせいか、婚活に対する意識が受験勉強と同じ。1つずつノルマを潰していくように婚活をしてしまい、結婚という本来の目的を見失いがちなところも原因の1つとなっています。
土日の有名ホテルのロビーに行かれたことはありますか? 実はそこはお見合いする男女でいっぱいの空間です。エンドレス婚活に陥ると、そこで仲間ができてしまうというおかしな現象も起きてしまいます。
婚活男性同士が出くわし、「え、まだ婚活しているの?」なんてお互いに言い合って意気投合。先輩、後輩関係までできてしまい、2人、3人集まって男子会をする。そこで「今は◯◯相談所にいるんだ」と情報交換。こうした婚活コミュニティーの居心地がいいから、ますます目的を見失ってしまうことになります。
弊社では入会時に詳細なプロフィールを書いてもらうのですが、そこに過去の相談所を書く欄もあります。欄は1つしかないのですが、そこに2つ、3つ書く人は珍しくありません。20代でも3〜4つ書いている人もいます。「婚活渡り鳥」ですね。
エンドレス婚活になる原因は
相談所を渡り歩いて評論ばかりしている婚活評論家もいます。いろいろなセミナーに行っては、気づいたことをびっしりとノートに書き留めて評論。カウンセリングはさながらその発表会のようになります。「◯◯相談所はこんな人が出てきて、△△セミナーがあって……」と婚活評論が趣味なのかと思ってしまいます。その男性は、4社目の弊社でやっとご成婚となりました。
一見するとエンドレス婚活に陥る直接的な原因は本人にあるように思えますが、それだけではありません。婚活をサポートするアドバイザーの腕も問われます。アドバイザーは、お見合い相手がどのような人でどんな働き方をしているのか会員情報から分析し、お互いにふさわしい相手かどうかを判断します。会員からの相談を解決していきながら、結婚へと導くのです。
エリート男性の場合、婚活市場で人気が高いため、「たくさんの女性に会えるからいつでも結婚できる」と勘違いしがちで、実際にたくさん女性に会って、合わないと思ったらすぐ断る人も少なくありません。こうした過程においてふさわしい相手を紹介し、適切な提案や指導ができるアドバイザーがいないと、お見合いをエンドレスに繰り返す、という事態に陥りがちなわけです。
ある医師は、過去に相談所に2カ所に登録しましたが成婚に至らず、最後の砦だと弊社に来ました。年収2000万円ほどあって、ダンディーで清潔感もある。これほど“いい条件”なのに結婚まで至らない。過去に登録していた相談所では、その原因を追求することなく、次から次へと女性を紹介していただけだったそうです。
本来であれば、お見合いする相手に会員がきちんと向き合えているかどうか、アドバイザーが分析すべきで、無駄なお見合いを重ねることは避けなければいけません。何年も婚活が続いている場合は、その原因を探り、改善できる点は改善していくのです。ただ、何年も婚活している人は、悪い癖がなかなか直らないのも事実です。
恋愛経験がほとんどないという人もいます。相談所に来る前に助走的に、「出会い系サイトを使って交際したことはある」という人もいますが、出会い系サイトは文字どおり出会いの場にはなりえても、真剣に婚活したい人にとってどこまで役立つかは疑問です。
とくに恋愛経験が乏しい人にとっては、出会い系サイトには先生役、指南役がいないので、好き勝手に振る舞ってしまい、結果としてあまり意味がないように思います。
基本的なことがわからない人も
恋愛やデート経験の少ない男性は、女性が心底驚く行為をしてしまうことがあります。デート中、水族館に行った際、列に並んでではなく縦一列で並んでしまい会話をしない、とか、アニメのポスターを見かけたら女性そっちのけで走っていってしまうとか。
カフェで女性に「何を食べる?」とも聞かずに、タワーのような巨大なパフェを注文する。チョコレートが大好きで、デートの帰りに勝手にチョコレート屋さんに行き、大量に購入。女性も仕方がないからお付き合いで買うけれども支払いは別……。そんな“無邪気”な男性が少なくないのです。
こうした男性には、女性とのデートに最低限必要なマナーなどを教えます。例えば食事のフォークやナイフの使い方、いえ、それ以前にデートのお店の選び方や、メニューのオーダーの仕方から教えるのです。普段居酒屋しか行かないので、そういう基本的なこともわからないという男性は少なくありません。
「今度のお見合いではこういうことを聞いてきてね」と宿題を出すと、お見合い後に「できました」とうれしそうに報告し、まるで褒めてもらうことが目的のようになっている男性もいます。
そういう男性には「目的は結婚だからね、忘れないようにね」と念押し。男らしくなってほしいと考えた場合は、筋トレをお勧めすることもあります。厳しいかもしれませんが、エンドレス婚活を回避するためにはこうするしかないのです。