長嶋一茂が、10月9日放送の『怒られ履歴書』(フジテレビ系)で、知人や家族から怒られた秘話を語った。

 ヤクルト時代、監督だった野村克也氏から「お前の野球に対する姿勢はどうなっとるんや」と2時間半も説教された。だが、「長いから話が戻るのよ。ほとんど聞いていなかった。何にも覚えていない」と告白。チームメイトは熱心にメモを取っていたが、一茂はドラえもんの絵をノートに描いていたという。

 野村氏から「お前は“一所”懸命で生きているのか? “一生”懸命で生きているのかどっちなんや?」と聞かれたことは覚えているが、一茂は「何をこの人は言っているんだろう?」と思っていたという。

 その言葉の真相について、野村氏は著書『人生を勝利に導く金言』で、「人間の一番美しい姿は一生懸命な姿だという。いつの日か一所懸命が一生懸命に変化したそうである」と綴られている。番組では、「出版社の推測」として「野球は腰掛けなのか?」という問いだと紹介されていた。

 さらに一茂は、巨人時代、父で当時監督だった長嶋茂雄氏のせいで、チームの先輩・村田真一氏から怒られたという。それは「お前のオヤジの風呂の入り方はどうなってるんだ」というもので、一茂は「東京ドームの風呂に、ウチの親父は、石鹸で体を洗って洗わないで湯船に入る」とコメント。だが、父には言わなかったという。

 最近では、自身の双子の娘から怒られたという。家族で飲食店で食事をすませ、会計を頼むが、店員がしばらく現れなかった。ようやく伝票が届いたので、「君さ、会計に時間かかりすぎじゃない? (客が)食べ終わると思ったら計算しておけばいい」と店員に指摘。

 すると、娘から「パパ、言い方がエラそう。お店の人に謝ってきて」と言われてしまった。それで次回から、食事を頼み、食べる前に会計をしたところ、娘から「バカなの?」とダメ出しされたという。

 さまざまな人に叱られてきた一茂だが、茂雄氏に怒られたのは「人生で1回だけ」と、2018年2月12日放送の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)で語っていた。

 一茂は巨人時代、自分の打席で無死一塁、送りバントのサインが出ていたが、バントをしたくないので振りに行って空振り三振になった。そのとき「お前はサインを見ろ」と怒られたという。一茂は「後にも先にもその1回だけ」と振り返っていた。

 一茂は、多くの人からの忠告を糧として、成長してきたのだ。