パーソルキャリアがまとめた「doda転職求人倍率レポート」によると、6月の転職求人数は前月比0.04%減、前年同月比12.9%増、転職希望者数は前月比7.5%増、前年同月比27.9%増だった。

 転職求人倍率は前月比0.18ポイント減、前年同月比0.32ポイント減の2.35倍だった。

 転職希望者数は、6月に人気の企業の募集開始が重なり、求人への応募をきっかけに転職活動を行う人が増えたため、前月比は増加した。求人数は微減となっており、転職希望者数が増加したため、求人倍率は前月から0.18ポイント下降した。

 業種別にみると、求人数の前月比は8業種(その他を含まない)のうち「金融」、「メディカル」、「商社・流通」、「サービス」の4業種で増加した。特に伸びたのは、「メディカル」(前月比2.2%増)、「金融」(同1.3%増)。

 「メディカル」では医療機器メーカーや医療機関向けのコンサルティングサービスを行う企業で採用が活発化している。

 「金融」では、格付け会社や保険代理店で求人が増加したほか、決済サービスや仮想通貨関連の企業でも求人数が増えた。また、前年同月比では8業種で最も求人数の増加率が高く、42.3%増だった。

【業種別 求人数増加率(前月比)】
メディカル 2.2%増
金融    1.3%増
商社・流通 0.9%増
サービス  0.9%増
メーカー  0.7%減
IT・通信  0.8%減
メディア  1.0%減
小売・外食 1.9%減

その他   1.3%減

 職種別では、求人数の前月比は11職種のうち「営業系」、「企画・管理系」、「技術系(建築・土木)」、「専門職」 の4職種で増加した。特に伸びたのは、「技術系(建築・土木)」(前月比3.8%増)、「専門職」(同2.4%増)。

 「技術系(建築・土木)」では施工管理の求人数が引き続き多いほか、施設管理の技術者や土木設計でも採用が活発化している。また、前年同月比でも33.6%増と11職種で2番目に高い増加率だった。

 「専門職」では、コンサルティングファームでコンサルタントの求人数が増加した。また事業承継のニーズが増えているためM&A関連の求人も伸びている。

【職種別 求人数増加率(前月比)】
技術系(建築・土木)3.8%増
専門職       2.4%増
企画・管理系    1.2%増
営業系       0.3%増
技術系(IT・通信) 0.4%減
販売・サービス系  1.0%減
クリエイティブ系  1.2%減
技術系(電気・機械)1.2%減
事務・アシスタント系4.8%減
技術系(メディカル)5.7%減
技術系(化学・食品)5.7%減

 今後の転職市場についてパーソルキャリアでは、「7月以降の転職市場の求人数は緩やかに増加する」と見ている。

 「業種・職種別では、米中貿易摩擦などの影響で求人を控える動きがメーカーなどの一部でみられるものの、求人数は過去最大級の市況が続いている。企業の採用意欲が衰えるというよりは、これまでやや過熱気味だった採用に慎重さが出てきたという程度で、経験者・即戦力の人は積極的に歓迎する企業がほとんどだ」と分析した。