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人手不足の影響でコンビニをはじめとする小売業界では、省人・無人化への期待が高まっている。

東京ビッグサイト(東京国際展示場)で3月5日〜8日に開催された「リテールテックJAPAN 2019」では、無人店舗をテーマにした展示も複数あった。カメラや重量センサー、RFIDなどを使った会計システムや、特徴的なセルフレジなど、最新技術を紹介したい。

●カメラや重量センサーで手に取った商品を捕捉

会場入ってすぐにあったのが、NEC(日本電気)の「未来を創る無人販売店舗」。顔認証などを使った無人店舗の展示だ。

あらかじめ顔写真を登録。入り口に進むとカメラが顔を識別し、ゲートが開くという仕組みになっている。

商品棚には重量センサーがついており、商品の出し入れを感知。カメラで認識した客の顔や動作、商品の画像情報も加味して、客が手に取った商品をディスプレーに表示する。

ディスプレーにはオススメ商品を表示するエリアもあり、手にとった商品によって表示が変わっていた。

ほしい商品を手に取ったら、出口付近のディスプレーで種類や個数を確認して、店の外に出る。

退店の際にも入り口と同じように顔認証のゲートがあり、あらかじめ登録しておいたクレジットカードなどで決済する仕組みだ。

NECの係員によれば、これまで取得が困難だった「一度手に取った商品を棚に戻す」行為も記録できるため、仕入れや商品開発への活用が考えられるという。

なお、展示の仕組みとは異なるが、NECはセブンイレブンと提携し、すでに2018年から台湾や東京で顔認証を使った無人店舗にも取り組んでいる。

●「RFID」タグを活用した技術も

「RFID」と呼ばれるタグを使った無人決済の展示もあった。商品を手にしたまま、ゲートを通ると、タグの情報が認識され、自動で会計に進むという仕組みだ。

このほか、NECブースでは、バーコード読み取り機能がついた「オフィスコンビニ」のような展示も。

商品棚には重量センサーがついており、持ち出された商品と購入された商品の数を照合できる。「万引き」があったときは、端末横の監視カメラで問題の時間帯をチェックすればよい。

「オフィスなどでの使用を想定して開発したので、その場でアラームを出す形にはしていません」(担当者)

また、巨大な自販機を思わせる展示もあった。海外企業が工場での部品ピックアップなどの用途でつくった倉庫型の機械に、NECの決済技術を連動させたものだ。

タッチパネルでほしい商品を選んで決済すると、自販機のように商品が出てくる。商品の補充も楽チン。機械がバーコードを読みとって、所定の場所に配置してくれるので、順番や種類などを気にせず、投入口に入れるだけで良い。

●カートとレジが一体化、ウォークスルー決済

マイクロソフトのブースでは、2018年から九州を中心としたスーパー「トライアル」の一部店舗で導入されている「スマートレジカート」と同様の仕組みを体験できた。

ショッピングカートに、バーコードの読み取り端末とタブレットが一体化しており、客は商品を手に取るたびに、バーコードを読み取り、カゴの中に入れていく。ピックアップの都度、レジを通していくイメージだ。

ゲートを通り抜ければ、あらかじめ読み込んでいたプリペイドカードで決済が完了し、レシートが出てくる。

会場ではこのほか、東芝テックなどが無人店舗やセルフレジといった技術を展示していた。

まだまだ人と完全に置き換えられるまでには至っていないが、技術は着実に進歩しているようだ。

(弁護士ドットコムニュース)