女性からの支持を集める小池栄子

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 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回はドラマ、映画、バラエティー、CMと幅広く活躍する小池栄子について。

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 お笑いコンビ「相席スタート」の山崎ケイのエッセイ『ちょうどいいブスのススメ』のドラマ化に際し、タイトルが『人生が楽しくなる幸せの法則』(読売テレビ・日本テレビ系)に変わった顛末は皆さん、御存知のとおり。

 かつて、放送作家の鈴木おさむ氏のエッセイ『ブスの瞳に恋してる』は、そのままのタイトルで2006年にドラマ化(関西テレビ・フジテレビ系)されたものだ。これは、この13年で、テレビにおける表現方法が窮屈なものになったことの表れかもしれない。

 では「ちょうどいい」はどうか。「すごくいい」でも「ちょっとだけいい」でもなく、「いい塩梅」とも置き換えられる「ちょうどいい」。いま、このフレーズにピッタリなのが小池栄子ではないだろうか。

◇出演映画に「小池栄子が良い」という声が相次ぐ

「イエローキャブ」や「サンズエンタテインメント」で人気グラビアアイドルとして活躍してきた彼女には、ずいぶん前から「女優」の肩書があり、その受賞歴を見れば、映画でも舞台でも、どれほど評価されてきたかがわかる。

 かつて同僚だったMEGUMIが「小池の舞台は顔芸とも言うべき表情の変化がものすごい。私にはとても真似できない」と絶賛しているのを聞いたことがある。確かに舞台向きの大きな演技ができる人でもあるし、ドラマや映画でもさまざまな役を演じてきた。昨年公開された映画『空飛ぶタイヤ』でも『SUNNY 強い気持ち・強い愛』でも「小池栄子がすごく良かった」という声が批評家たちのあいだから聞こえてきたものである。
 
 タレントとしては、少し年上の男性芸人からの評価が高く、「いてくれるとありがたい」存在となって久しい。ダウンタウンの松本人志やバナナマンの設楽統と共演している『クレイジージャーニー』(TBS系)や、昨年11月にスタートし、東野幸治と共にMCを務めている『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ系)での小池の評判もすこぶるいいのである。

◇女性向け商材のCMにハマっている
 だが、今回、私が「ちょうどいい」と高評価しているのは彼女が出演するCMなのである。これまで、かなりのCMに出演してきた小池が現在契約中なのは、「キリン」「リクルート」「味の素」「大正製薬」「ユニ・チャーム」、そして「スカパー!」。

 中でも、よく見かけるのが、豚バラ大根の大根に10分で味が染みるワケがない…と疑いながら調理する「味の素 Cook Do きょうの大皿」。これまで秘書役の夏目三久との共演が多かった議員役の堺雅人が帰宅した際、リビングでスカパー!視聴に興じる妻役を演じる「スカパー!」。そして、女性合唱団の指揮者に扮する「チャームナップ吸水さらフィ」だろう。最近は見かけないが、「資生堂 専科」のCMも印象に残っている。
 
 小池の実年齢は38才。夫は元プロレスラーの坂田亘で、子供はいないが、CMでは「ママ」としての出演が増えつつあるし、決して高価ではない基礎化粧品やナプキンといった女性向け商材のCMにもぴたりとハマっているのだ。
 
 その理由こそが、小池のもつ「ちょうどいい」ルックスだったり、雰囲気にあるのではないか。髪をロングから現在のボブにし、衣装とはいえ、カジュアルな装いがよく似合っている小池は、美人すぎず、華やかすぎず、本当に「Cook Do」で豚バラ大根を煮込んでいそうだし、帰宅した夫に肩をマッサージさせていそうな気がする。
 
 ドラマや映画以上に、CMでのママ役、妻役というのは、スタッフらがキャスティングに悩むところだろう。特に「家庭」や「家族」、そして若くはない「女性」が主人公のCMは、少しでも“上から目線”のように見えたら終わり。ミョーに“オンナ”が出てしまっても、女性視聴者にはソッポを向かれてしまうのだ。たとえ、お酒やクルマのCMであったとしても、スーパーに買いに行ったり、購入時、意見を言ったりするのは女性だからである。
 
 そう考えたとき、いまの小池は、やっぱり「ちょうどいい」のである。昔と違って、プライベートに一点の曇りもなく、順風満帆すぎる女性タレントは、「白々しい」「わざとらしい」と嫌われてしまう可能性もあるいま。夫のために健気に頑張っている感が強い小池は、「ちょうどいい」好感度というワケだ。
 
 実は、アラフォーになると、女優の中には、仕事が激減してしまうタイプが少なくない。その多くは、「母親役にハマらなかった」という理由なのだが、小池はそれもなんなくクリア。CMでここまで「ちょうどいい」母親役を演じられたということは、ドラマや映画でも、演出家たちは安心して小池を起用できることだろう。

 庶民的にも見える、「ちょうどいい」ルックスにも恵まれ、ファストファッション風のカジュアルも自然に着こなせてしまう「ちょうどいい」カンジも持ち合わせる小池。彼女の40代は明るいと思う。小池栄子にとって「ちょうどいい」は最高の誉め言葉なのである。