巨人の入団記者会見後に、原辰徳監督(左)と笑顔でグータッチする丸佳浩外野手(C) KYODO NEWS IMAGES

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◆ 丸は開幕カードで達成なるか

 1月も折り返し地点を過ぎ、いよいよキャンプインが近づいてきたプロ野球界。補強の動きも徐々に落ち着きを見せ、これからはチーム内での競争に注目が移っていく。

 このオフの大きな移籍と言えば、まずは広島のリーグ3連覇に貢献して2年連続リーグMVPに輝いた丸佳浩の名前が挙がる。

 これまではアベレージ寄りの中距離打者という印象が強かったが、昨季はキャリア最多の39本塁打をマーク。シーズン最終盤まで本塁打王争いを演じるなど、長距離砲への変わり身を見せた。新天地でも上位打線を任されることは濃厚で、比較的本塁打の出やすい東京ドームを軸にフル出場したらどんな成績が残るのか、注目が集まっている。

 その丸はここまで通算147本の本塁打を放っており、球団別で見ると広島以外の11球団からは本塁打を記録している状態。ということは、今季から敵となる広島から本塁打を放てば、本塁打の“12球団制覇”達成となるのだ。

 昨季は阪神の福留孝介が達成しているが、それが史上33人目。交流戦が導入されてから難易度はグッと下がったとはいえ、まだまだ達成者の少ない記録である。

 ちなみに、巨人は開幕カードでいきなり広島と対戦。巨人ファンへの挨拶代わりの一発で記録達成となるか、注目が集まる。

 また、もう一人このオフを賑わせた野手と言えば西武から楽天に移った浅村栄斗がいる。奇しくも丸と同じく通算147本塁打を放っているが、実は前所属の西武のほかに広島から本塁打を放っていない。

 同リーグの移籍とあって古巣戦はチャンスが多いものの、広島との対戦はホームでの3試合しかない。今年一気の達成となるか、こちらも注目だ。

◆ 大田泰示は通算38本ながらリーチ!

 ちなみに、このオフ移籍した選手以外にも記録達成に近い選手はいる。

 丸に注目が集まる巨人では、陽岱鋼が古巣・日本ハム戦で本塁打を放てば12球団コンプリート。巨人移籍2年目のアレックス・ゲレーロも、ロッテ戦と西武戦で本塁打を放てば記録達成となる。ともに交流戦の少ないチャンスになるが、是非とも狙ってみてほしい。

 そして、丸の人的補償という形で巨人から広島に移った長野も、古巣・巨人から本塁打を放てば記録達成。上では丸だけ取り上げたが、この長野にも開幕カードでの記録達成に期待がかかる。

 また、意外なところでいうと日本ハムの大田泰示も。これまで通算本塁打数は38本ながら、阪神以外の11球団からはすでに本塁打を記録している。

 果たして、今年は何人が歴史に名を刻むのか。あまり注目されない“全球団本塁打”に注目だ。

▼ 全球団本塁打にリーチをかけている選手

・大田泰示(日本ハム)- 対象球団:阪神

・今江年晶(楽天)- 対象球団:中日

・長野久義(広島)- 対象球団:巨人

・丸 佳浩(巨人)- 対象球団:広島

・陽 岱鋼(巨人)- 対象球団:日本ハム