何気ない街角で我々に美味しい料理を提供してくれる食堂。

明治、大正時代に勃興したミルクホールに、昭和の時代に産まれたドライブイン、さらには日本で独自の進化を遂げた洋食などなど、様々な業態の美味しいお店がいまなお我々の胃袋を日々異なる味わいで楽しませてくれる。

そんな街に溶け込んでいる業態の1つが街中華。

街中華の魅力は多々あるのだが、やはり魅力はその美味しさ、メニューの多さ、そして比較的安価で味わえるというポイントではないだろうか。

ラーメンに餃子、そしてチャーハンは当たり前、中華でありながらカツ丼やオムライス、など和のメニューや洋食メニューなどミックスして味わえるため、毎日訪れても飽きずに楽しめるのは非常に嬉しいポイント。

今回はそんな何気ない街に佇む中華料理屋である街中華の1つをご紹介したい。

お店の名前は、「交通飯店」。

・有楽町の駅前に佇む交通会館の地下にお店を構える名店、それが「交通飯店」
今でもかろうじてその雰囲気を感じる事ができるのだが、有楽町周辺は第二次世界大戦後の闇市として栄えた場所。

東京都交通局庁舎跡地の再開発により1965年(昭和40年)に開業した交通会館と同じ年に「交通飯店」も営業をスタートしたのだ。

1965年(昭和40年)と言えば、初の国産旅客機YS-11が就航し、海外団体旅行用の「ジャルパック」が発売開始、プロ野球において第1回ドラフト会議開かれ、大学生100万人突破するなど、その後の日本の発展を予期させるような様々な出来事があった年。

そんな日本の爆発的な発展を予感させる時代とともに産まれた「交通飯店」は、50年以上も多くの人々に美味しい中華を提供しつづけている。

・あのイチロー選手も愛するチャーハン
こちらのお店には様々なメニューがあり、どれもボリューム満点で非常に美味しいため、何を選べばいいか、迷ってしまう。

そんな方にオススメしたいのが、あのイチロー選手も愛するチャーハンだ。

こちらのチャーハンの具材は非常にシンプルで、ハム、卵、ネギのみ。

ひとくち味わってみれば、その味わいに驚いてしまうかもしれない。

強力な火力を御して炒められたからこその、美味しく香ばしいチャーハンは、まさにこちらのお店でしか味わえない絶品のチャーハンとなっている。

アツアツのチャーハンを頬張るたびに、香ばしいラードとお米、そしてそれぞれの具材の香りが鼻腔を駆け抜け、柔らかい素材のウマミや甘みをしっかりと感じる事ができる。

そんな劇ウマのチャーハンは、あの世界のイチロー選手が愛する味わいと言われるのも納得なのだ。

・オススメは半チャンラーメン
チャーハンだけではなく、他のメニューも楽しみたい、という方にはチャーハン(ミニ)のセットメニューが存在している。

中でもオススメしたいのが、シンプルなラーメンと一緒に味わう半チャンラーメンだ。

チャーハンは言うまでもなく美味しいのだが、ラーメンもしっかりとシンプルで美味しい。

具材はネギとメンマとチャーシューのみ。

スープは非常にあっさりとした醤油味で、なんの抵抗も無く喉の奥へと吸い込まれていく。

そしてスープのおいしい余韻だけが、口の中で優しく広がっていく。

もちろん麺の味わいも秀逸。

スッキリとした美味しいスープをしっかりと含み、口の中で麺の食感と味わいをスープと一緒に味わえば、正統派の醤油ラーメンがそこにはあるのだ。

そんな美味しいスープとチャーハンを組み合わせたら…… もはや余計な説明は不要に違いない。

ただ、実はこちらのチャーハン、ミニと言っても、1人前以上のボリュームがあるため、小食の方は注意して注文することをオススメする。

日本の戦後の歴史とともに、街にたたずむ街中華の1つ、 東京・有楽町の名店「交通飯店」。

時代が変わっても、一本芯のある美味しい味わいを永遠に味わい続ける事ができる、そんな幸せな時代に産まれた事に感謝したい、そしてそんな味わいを提供し続けてくれるお店に感謝したい、そんな味わい深いお店に出会うために有楽町の交通会館を訪れてみてはいかがだろうか?

きっとそこには、これまでも、そしてこれからも、時代は変われども、美味しい味わいを提供し続ける、美味しいお店があるに違いないのだ。

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お店 交通飯店 (コウツウハンテン)
住所 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館地下1階
営業時間 月〜金
ランチ営業 11:00〜材料なくなり次第終了
ディナー営業 17:30〜※材料なくなり次第終了します
定休日 土曜・日曜・祝日