知覧武家屋敷通り(画像提供:南九州市)

NHK大河ドラマ『西郷どん』を欠かさず観ている人は、上の写真に見覚えがあるかもしれない。主人公の幼少期、江戸時代末期の鹿児島の町並みとして、何度か登場した場所である。そのロケ地となったのは、鹿児島県南九州市にある知覧町の武家屋敷通り。

武家屋敷通り沿いには、1700年代から1800年代初めに作られ、当時の面影を残す武家屋敷群があり、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている。石垣と生け垣に囲まれ、約700メートルにわたって集落を形成しているが、この中で7つの庭園が「名勝」として指定されており、知覧武家屋敷庭園と呼ばれている。

この知覧武家屋敷庭園の中で、お試し居住体験ができるという。いったいどういうことだろう? Jタウンネット編集部は電話で話を聞いてみた。

名勝庭園の中の住み心地は?


西郷恵一郎邸(画像提供:南九州市)

電話で答えたくれたのは、南九州市役所ふるさと振興室の担当者だ。

「お試し居住ができるのは、西郷恵一郎邸です。西郷......と聞いて、もしやと思われるかもしれませんが、あの西郷隆盛とはまったく関係ありません。建物は大正5年建築、庭園は枯山水式庭園で、国の名勝庭園に指定されています」


西郷恵一郎邸内観(画像提供:南九州市)

南九州市では、移住や2拠点居住などを検討する人向けに、1組1泊1000円(水道・光熱費込み)で貸し出す。

「実際に移住を検討されている方が対象で、事前に利用目的を明記した申込書の提出が必要で、審査させていただきます。また事後のアンケートやレポートの提出にご協力いただくことも条件となります」

つまり、たんなる観光目的の利用は、審査でパスしないことになる。


西郷恵一郎邸内観(画像提供:南九州市)


西郷恵一郎邸間取り図(南九州市公式ホームページより)

「鹿児島県内なら、南九州市以外の方でも、ご利用いただけます。もちろん県外の方にもご利用いただきたいと思います」と担当者。

「利用対象者としてイメージしているのは、子育て世代です。南九州市は鹿児島市から車で約30分の距離なので、通勤圏内と言えると思います。職場を鹿児島市内で見つけて、住まいは南九州市に、そんなライフスタイルも想定できるのではないでしょうか」

子育て世代はもちろん大歓迎だが、「移住希望ならシニア世代でもけっこう。住み心地をぜひ体験してください」と担当者は力説していた。詳しくは、南九州市公式ホームページをご参照のこと。