西野朗監督

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 開幕の2か月前に監督に就任した西野朗。

 今大会を現地で取材するサッカージャーナリストによると、

「試合後の監督は、記者会見に出席し、選手が取材を受けるエリアに顔を出すことはあまりないのですが、コロンビア戦の後はそのエリアに来て、15分ほど取材に対応してくれました。

 代表チームの広報担当者も驚いていましたね。うれしくてそこまで来ちゃったという感じだったと思うのですが、喜びをあらわにするわけではなく表情は変わらずクールでした」

長嶋茂雄さんのような

 彼が代表監督として奇跡を起こしたのはこれが初めてではない。'96年のアトランタ五輪で、当時世界最強だったブラジル代表を初戦で撃破し“マイアミの奇跡”を演出していたのだ。

 しかし、その後の試合が振るわず予選敗退。初戦で強豪国を倒した今大会は、アトランタ五輪と同じ図式ともいえる。西野監督は自らその過去に触れ、記者をフリーズさせていた。

「アトランタ五輪も取材しているベテラン記者が“アトランタと同じく、初戦で強いチームに勝ちましたね”と話すと、西野監督は、“同じ轍を踏まないようにしたいです”って返したんです。これが実は彼なりの自虐的な冗談であり、笑ってほしいところだったみたいで(苦笑)。

 普段どおりのクールな表情で淡々と話すから全然そう思えない。話を振ったベテラン記者しか笑いを理解していなかったですね」(同・サッカージャーナリスト)

 基本的にポジティブなことしか話さない彼から、過去の失敗を思い起こさせるような、ちょっと弱気な発言は珍しかったのだという。

 意外な一面がもうひとつ。

「クールな印象ですが、わりと感覚派なところもあって、話をしていると主語と述語が明確じゃなくなってくることも。横文字も多くてちょっと長嶋茂雄さんのような。

 テープ起こし(取材で聞いた話を文字で書き起こすこと)をしてみると、何を言いたかったのかよくわからないみたいなときもありましたね(笑)」

 そう話すのは、サッカーライターの下薗昌記さん。さらに高校時代にはこんなことも。

「西野さんは浦和西高校時代長髪でした。県外にもうひとつ強豪校があって迷ったそうですが、その高校が“部員は丸刈り”だったためやめたそうです。学生時代からサッカー雑誌の表紙になっていますが結構、髪が長くて今でいうとチャラ男系みたいな。昔からひとクセある人だったようですね」(下薗さん、以下同)

 そんな目立つ存在だったのならもちろん……。

「ファンレターはいっぱい届いていたそうですね」

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