日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

写真拡大

低調な日本代表の現状を英メディアが特集、問題点をあぶりだしている

 サッカーロシアW杯まで残り3か月を切った。日本代表はメンバー選考前最後の実戦として、ベルギーでの親善試合2試合を行ったが、マリとは1-1でドロー、ウクライナには1-2で敗れるなど低調な結果に終わった。海外メディアは日本の特集を組み、本番までの修正ポイントを分析。「守備組織を格段に改善させなければならない」と指摘し、ディフェンス面を最も懸念している。

 大事な2度のテストマッチで大きな収穫をつかむことができなかったハリルジャパン。英スポーツ専門メディア「REAL SPORT」は日本代表の現状を特集し、問題点を指摘している。

「日本は、W杯のデモンストレーションとしてウクライナ戦にも臨んだが、あえなく敗戦。だが、1-2というスコア以上の完敗だった。そして何より、その完敗以上に問題なのが、日本にほとんど印象的なパフォーマンスが残っていない、ということだ」

 記事ではこう伝え、この2試合がスコア以上に内容にも乏しかったとしている。そしてW杯本番で日本が属するグループHについても言及した。

「コロンビア、ポーランド、セネガル。日本が配属されたグループは、最も先の読めない組み合わせとなった。そして日本は、ロシアに向けた本番前の予行として、近隣国と対戦する模範的な試合を組むことに成功した。例えば夏には仮想コロンビアとしてのパラグアイとの対戦を控えている」

仮想ポーランドの意義はあった?「ウクライナとは長所も短所も異なる」

 そして、この1週間のテストマッチの相手がセネガルを想定したマリ、ポーランドを想定したウクライナだったことも紹介。その上で「結果は見ての通りだ。日本にとって唯一のグッドニュースは、近隣国ではあるものの、ウクライナはポーランドとは全く異なるプレースタイルで、長所と短所も異なることだ」とテストマッチとして機能しなかったことを、皮肉るように指摘している。

「具体的に述べるならば、日本をバラバラに引っ掻き回したコノプリャンカは、サイドを支配する危険な人物だが、幸運なことに、ポーランドにはそのようなクオリティーを備えたウィンガーを擁していない。むしろ、日本が最も恐れるべきは、セネガルのサディオ・マネだということがこの試合でわかった」

「バッドニュースは、ポーランドは純粋にウクライナよりもはるかに良いチームであるということだ。ウクライナには、ロベルト・レバンドフスキのような中核となる存在はいない。日本は、世界最高のストライカーに対し、守備組織を格段に改善しなければならない」

 ウクライナとポーランドではそもそもの地力に差がある上、ポーランドはレバンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)という世界屈指のストライカーを擁することを伝えている。

「レバンドフスキがいたら手に負えなかっただろう」H組のライバルには強力ストライカーがずらり

「はっきり言うと、ウクライナは今回、ベストプレーヤーと最も効果的なプレーヤー不在だった。もし彼らにポーランドのように大口径の拳銃のようなストライカーがいたら、もう手に負えなかっただろう」

 記事ではウクライナにレバンドフスキ級のストライカーがもしいたなら、日本の守備陣では太刀打ちできなかっただろうとしている。そして、槙野は同点弾こそ決めたが、守備面での貢献度は高くなかったこと。アジアでは通用する守備陣も、強豪国の選手に対しては準備不足のケースが多いことも指摘している。

「特にマネ、レバンドフスキ、ハメス・ロドリゲス、ラダメル・ファルカオのような怪物に対しては」

 こう締めくくっている。H組のライバル各国は世界に名だたる点取り屋を擁している。その選手たちを抑えることができるのか――。得点力不足がクローズアップされることが多いが、改善すべきは守備面なのではないか。英メディアはそう分析している。(THE ANSWER編集部)