DeNA井納投手の「嫁酷評」提訴で注目 「選手の奥さん叩き」掲示板のエグい内容
ネットの匿名掲示板に「そりゃこのブスが嫁ならキャバクラ行くわ」と書き込まれ、奥さんと自分の名誉が侵害されたとして横浜DeNAベイスターズの井納翔一投手(31)側が、書き込んだ女性に191万9686円の損害賠償を請求した、と写真週刊誌「フライデー」(2018年2月9日号)が報じた。
匿名掲示板とは「野球界の噂」の事で、選手の奥さん叩きが有名だ。ネット上ではこの程度で訴えられるのか?といった驚きがあったが、書き込まれている事は相当エグい。
掲示板は「2ちゃんねる」ではなかった
「フライデー」記事によれば、「そりゃこのブスが嫁ならキャバクラ行くわ」と17年7月に書き込んだ20代OLに損害賠償金191万9686円を払えという「訴状」が届いたのは12月中旬で、18年1月中旬に「第1回口頭弁論」の呼び出し状が来た。女性はたまたま井納投手に関するスレッドを見ていたら奥さんの写真がアップされていたため、そうした感想を書いたのだという。
それではどうして匿名掲示板なのに女性が特定されたのか。テレビ朝日系情報番組「モーニングショー」(1月29日放送)で今回の「事件」の特集をやっていて、特定の経緯は、井納投手の担当弁護士が書き込みは誰のものか掲示板管理者に問い合わせ、IPアドレス(インターネット上の住所)を入手した後に、女性が使っているプロバイダーに女性の個人情報の公開を求めた。この情報開示請求には77万円かかる。プロバイダーは女性に対し、公開の是非を尋ねる。拒否することができるけれども、拒否された側は裁判によって公開を争うことができる。今回の場合は、井納投手サイドから公開を求められているのを17年11月末に知った女性が、自分から井納投手の代理人弁護士に接触したことで分かってしまった。
また、この書き込みだが、始めは掲示板「2ちゃんねる」内の「なんでも実況J板」(通称:なんJ)のものとされていたが、こんな書き込みをする人は見たことが無い、といった意見が「2ちゃん」内でも出て、「野球界の噂」だということが分かった。この掲示板は一般には馴染みが薄いが、プロ野球ファンの女性なら知っている人が多く、特に選手の奥さんの悪口で盛り上がる。過激な書き込みや、1人の奥さんに粘着する場合もあり、管理人は書き込みの削除を常に余儀なくされている。いったいどんなことが書かれているのか。
「インスタ公開してる嫁w」「でしゃばる野球選手妻」などのスレ
書き込み先が「野球界の噂」と知った人たちは、
「書き込みのほとんどは女性で、ほぼ選手の彼女奥さん叩きの嫉妬と、妄想で構成されている」
「『球界の噂』は、連日井納の嫁スレが立って悪口言われまくってたから、井納も業を煮やして見せしめの意味で訴訟起こしたんやろ」
「いつ訴えられてもおかしくないような粘着野郎だらけだったから、『なんJ』で馬鹿が悪口言ってるのとは訳が違う」
などの感想を掲示板に書き込んだ。
スレには「インスタ公開してる嫁w」「でしゃばる野球選手妻」「野球選手と繋がってる女」「元野球選手の妻」などがある。
「野球界の噂」にも今回の報道に関するスレッド「De井納が野球界の噂住民を訴訟」が1月26日に立ち、
「選手嫁叩きひどいの多かったから、そのあたり一連やっちゃってほしい」
「奥さまの応援なんてしないでしょwwwwww選手が好きなら出身県まで応援しろとか言いそうな女だなwwwww」
「この掲示板に来てる時点でもう終わってるわ。わたしも」
などといったことが書き込まれている。今回の訴訟は、プロ野球界が「野球界の噂」に厳しい態度を取って行くという狼煙なのだろうか。J-CASTニュースが29日に日本野球機構に取材したところ、担当者はこのサイトのことを知っているけれども、内容が信憑性のあるものなのかどうかの把握はしていないとし、
「似たようなサイトが数多く存在していて、それをいちいち取り上げても切りがありません。選手は見ないし気にしない、というのが一般的だとおもいます」
と説明した。ベイスターズにも聞いてみたが、
「個人の事案であり、サイトがどのようなものであるかを含め、コメントを差し控えさせてもらいます」
ということだった。
(2018年1月30日追記:井納投手の妻の代理人弁護士から連絡があり、井納投手の妻より下記内容のコメントが寄せられました)
今回の件について、写真週刊誌「フライデー」やニュースでは、事実と異なる内容が掲載・報道されている部分があったため、裁判に至った経緯も含めてご説明させていただきます。
ある匿名掲示板で私(編集部注:井納投手の妻)が誹謗中傷されていたことが分かったのは、約3年前になります。それから、誹謗中傷が繰り返され現在に至りました。
ある時、私や主人のみならず、私たちの子供(当時1歳にも満たない)に対する誹謗中傷記事が投稿されたことから、私たちは、弁護士に相談することにしました。
その結果、私たちや子供に対する誹謗中傷記事は一旦は無くなったものの、平成29(2017)年7月頃から、再度誹謗中傷が繰り返されるようになりました。投稿の内容は、匿名をいいことに、事実とは異なるものばかりで、プライベートな内容の書き込みも多数ありました。
私たちは、子供の将来のことを考えたとき、それらの誹謗中傷記事を無くし、投稿者に対しては、二度と人を誹謗中傷することをやめてもらいたいと思い、今回の申立をしました。
しかし、私たちの思いとは裏腹に、投稿者の方はフライデーに情報を提供するなどしてしまいました。今回の件で、野球以外のことで何度も球団の名前がでてしまい、球団関係者やファンの皆様にご迷惑をおかけして申し訳ない気持ちでいっぱいです。
裁判については、現在係争中のため内容に関するコメントは控えさせていただきますが、テレビの情報番組の内容としてニュースにあるように、今回の投稿者が弁護士に名乗り出てきたことはありませんし、フライデーにあるように弁護士が門前払いしたこともありません。投稿者が弁護士からの連絡を無視し続けたために、やむを得ず裁判を申し立てることにしたものです。
今後、ネット上での心無い誹謗中傷記事が無くなることを願ってやみません。
平成30年1月30日