利回り6%超の上場REITを買ってみた
カリスマ投資家が買った「利回り6%超」の上場REIT銘柄とは?(撮影:今井康一)
日本株は11月も上昇するのだろうか。日経平均株価はついに平成バブル崩壊後の戻り高値2万2666円を突破した。この間、カリスマ投資家の内田衛氏はどんな取引をしていたのだろうか。どうやら大相場には完全には乗り切れていないようだ。内田氏は今後の相場をどう見ているのか。いつものように、株日記とともに見ていこう。
【10月23日 月曜日】衆議院選挙の最終結果が出た。与党で定数の3分の2議席を獲得し圧勝。日経平均は、239円高の2万1696円と大幅高で、史上初の15連騰となる。だが日本郵政(6178)は、前日比変わらずの1300円。2万1000株保有中。第2次売り出しで需給が悪化しているので、過去の例からすると上昇するには時間がかかりそうだ。
ついに日経平均16連騰!利回り6%超の上場REITを買う
【10月24日 火曜日】日経225先物は、120円安の2万1620円、NYダウは、54ドル安の2万3273ドルと7日ぶりの反落。10時19分、大和証券から「公募(PO)のトーセイ・リート投資法人(3451)を買いませんか?」と電話があった。売り出し価格が10万4462円で10口ということだけ聞いて、自分で調べたいのでお昼までには回答するといって時間をもらった。昨日23日の終値が、11万0400円からすると5.38%のディスカウントとなるが、これは10月末の分配金(4月と10月の年2回ある)がもらえないので、その分ディスカウント率が高いことがわかった。
また、上場REIT(不動産投資信託)の中では、利回りが高い。第5期分配金(2017年4月期、3592円)、第6期分配金予想(2017年10月期、3259円)で、合計6851円を11万0400円で割ると6.2%にもなる。そして、一連の金融緩和政策で、日銀は国債、ETF(株価指数連動型投資信託)に加え、REITも買っているので、大きくは下がらないと見て、10口買うことにした。発行済口数は、18万3200口で、今回の売り出しは、5万1200口と28%増加するが、今回の公募資金で購入する物件は決まっているようだ。本日の終値は、300円高の11万0700円。
為替が、一時1ドル=114円台をつけ、約3カ月ぶりの円安水準。10時5分、日経速報メールで、東芝の臨時株主総会で、東芝メモリー売却承認と報道。今朝の取引で日経225先物が120円安、NYダウも54ドル安かったので、今日で連騰記録は終わったかと思われたが、日経平均は、108円高の2万1805円と、16日続伸と記録更新で21年3カ月ぶりの高値となった。私の運用資金も今年最大となっている。
【10月25日 水曜日】日経225先物は、90円高の2万1900円、NYダウは、167ドル高の2万3441ドル。日経平均は、今日も高いのかと思われたが、14時ごろから崩れ、終値は97円安の2万1707円と17連騰ならず。今月に入って初めての下げとは信じられない。
【10月26日 木曜日】日経225先物は、60円安の2万1700円、NYダウは、112ドル安の2万3329ドル。一昨日買ったトーセイ・リートは、500円高の11万0900円と上がったが、公募で買ったのが売れるのは、11月2日から。日経平均は、32円高の2万1739円と強い。
10月がこんな大相場になるとは…
【10月27日 金曜日】日経225先物は、90円高の2万1860円、NYダウは、71ドル高の2万3400ドル。ECB(欧州中央銀行)、量的緩和縮小(テーパリング)を発表。来年1月から購入額を半減し、同9月までと報道。金融政策において、米国は「利上げ」、欧州は「量的緩和縮小」だ。
一方で日本は、「大規模量的・質的金融緩和中」と出遅れている。日本株式市場は、史上初の16連騰と大相場に発展し、「押し目待ちに押し目なし」状態となっている。だが、次は日本がもし「量的・質的緩和縮小」を発表したら、株価が暴落して、そのときが「買い場」となるかもしれない。トーセイ・リートは、配当落ちで、4500円安の10万6400円、出来高4797口。公募価格10万4462円からすると、1.82%のディスカウントとなった。日経平均は、268円高の2万2008円と21年3カ月ぶりの2万2000円超え。
【10月28日 土曜日】日経225先物は、20円安の2万2030円、NYダウは、33ドル高の2万3434ドル。1ドル=113.69円、1ユーロ=131.94円。
【10月30日 月曜日】優待目的保有で、カタログ通販準大手のスクロール(8005)が、61円高の461円と大幅高。きっかけは、先週末の決算発表だったのだが、こんなに上がるとは思っていなかった。14時34分にはストップ高まであと2円の78円高の478円の高値をつけ、年初来高値を更新した。15時30分、神戸製鋼所(5406)が、異例の9月中間配当見送りを発表した。「異例の」としたのは、7月28日の開示情報では、9月中間配当を前期の無配から10円復配計画へと発表しておきながら、データ改ざんなどの事件が発覚、無配を発表したから。日経平均は、3円高の2万2011円。
【10月31日 火曜日】日経225先物は、110円安の2万1910円、NYダウは、85ドル安の2万3348ドル。12時17分、日経速報メールで、日銀決定会合、大規模緩和を維持と報道。安倍晋三首相は2019年10月から消費税を10%にすると言っており、そのために多少バブルを起こしておかないと、という意図があるのかもしれない。9月の有効求人倍率(正社員)は、1.02倍と過去最高で、いよいよ人手不足が鮮明になった。統計を取り始めた2004年以降最高だそうで、企業は人件費増で大変だろうけど、給料アップは、景気にはプラスに働きいい傾向だと思う。
日経平均は、6銭安の2万2011円。歴史的な連騰をした10月相場を振り返ると、9月29日の日経平均は、2万0356円であったので、10月は、1655円(8.13%)の大幅上昇となった。こんな大相場になるとは、予想できなかったな。
11月は堅調でも、12月相場はいったん下落?
【11月1日 水曜日】日経225先物は、260円高の2万2210円と大幅高。NYダウは、28ドル高の2万3377ドル。安倍氏、第98代首相に選出。日経平均は、408円高の2万2420円と爆上げ。そろそろ下がるのではないかと信用売りしていた売り方が、この急騰に耐えかねて、損失確定の買い戻しをしてさらに上昇した(いわゆる「踏み上げ」)のではないか。
【11月2日 木曜日】日経225先物は、80円高の2万2510円、NYダウは57ドル高の2万4335ドル。優待目的で9月26日に1400円で買ったタナベ経営(9644)を1500円(前日比+29円)で100株売り、9352円の利益確定+9月の優待品(オリジナル革手帳3000円相当)。日経平均は、119円高の2万2539円と続伸。2万2500円台は、1996年7月1日以来、21年4カ月ぶり。1996年6月26日に付けたバブル崩壊後の戻り高値「2万2666円」が見えてきた。21時10分、日経速報メールで、英国の中央銀行が10年ぶり利上げ、物価高を抑制と報道。
【11月3日 金曜日】文化の日で日本は休場。日経225先物は、70円高の2万2550円、NYダウは81ドル高の2万3516ドル。「FRB(米連邦準備制度理事会)新議長にジェローム・パウエル氏」とドナルド・トランプ米大統領が発表。
【11月4日 土曜日】2016年12月から2017年9月までの10カ月間、日経平均は、1万9000円から2万円のボックス相場を続けてきたが、9月中旬の1万9500円から2万2500円へと3000円上昇の大相場となり、そして16連騰の連騰記録更新。まさにこの間「押し目待ちに押し目なし」と、私を含めてこの大相場に乗り切れていない個人投資家も多いと思う。
ここからの投資戦略としては、押し目を待つか、出遅れている高配当銘柄、あるいは12月、2月、3月に優待の権利がもらえる銘柄を狙っていきたい。年内の相場見通しをよく聞かれるが、11月は堅調な展開が続きそうだ。ただ、12月は個人投資家も利益確定をして、年越しをする人が多い。なので12月はいったん下げる展開を予想している。