死の直前に出産した女性(画像は『Minutouno.com 2017年7月19日付「Dramático relato de la mamá de Camila, la joven embarazada asesinada en Merlo」(Camila Castell)』のスクリーンショット)

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ブエノスアイレス近郊マリアノ・アコスタで15日、18歳の女性が恋人と共に自宅で元恋人の男から銃撃されるという事件が発生した。妊娠8か月であった女性は死亡したが、お腹の中にいた赤ちゃんはそうした状況にもかかわらず母の死の直前に無事この世に生を受けることができた。『Minutouno.com』など複数のメディアが伝えている。

襲撃騒ぎを耳にした隣人からの通報で警察が事件発生現場に駆けつけたが、犯人はすでに逃走した後であった。銃撃されたカミラ・カステルスさん(18)と彼女の恋人エセキエル・フランコ・ルイス・レイノソさん(18)は病院に搬送されたものの、カミラさんは背中に受けた銃撃が原因で死亡、またエセキエルさんも頭部2か所を撃たれて現在は集中治療を受けている。

襲撃当時のカミラさんは妊娠8か月であり、お腹の子の命が一時は危ぶまれたが、医療チームの尽力により彼女の死の直前に分娩が行われた結果、元気な男の赤ちゃんが誕生した。母体の危険性、また早産という状況であったにもかかわらず、赤ちゃんの体重は約2600グラムあり、その健康状態は極めて良好であると病院関係者は明かしている。

襲撃犯であり、カミラさんの元恋人であるパラグアイ人のマリオ・ディアス(30)の行方はまだ掴めておらず、現在も捜索中とのことだ。マリオはカミラさんとの交際時から暴力行為が指摘されており、警察では今回の事件の原因もマリオの嫉妬によるもの、そしてカミラさんのお腹の子供の父親はエセキエルさんか、それとも自分かを問い質すつもりで彼女らの自宅に押し入ったのではないかとみているようだ。

アルゼンチンでは今回に限らず、女性に対する身体的、性的、心理的暴力が大きな問題となっている。最高裁判所が公開した報告書によると、この国では昨年だけでも254人が「ジェンダーに基づく(女性に対する)暴力」によって殺害されたそうだ。また女性権利団体ムヘーレス・デ・ラ・マトリア・ラティノアメリカーナ(Mujeres de la Matria Latinoamericana)は、今年1月から4月までに25時間毎に1人、女性が殺害されたと発表している。

画像は『Minutouno.com 2017年7月19日付「Dramático relato de la mamá de Camila, la joven embarazada asesinada en Merlo」(Camila Castell)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)