史上最年少の14歳でプロ棋士となり、デビュー以降の対局では連戦戦勝。ついには歴代1位タイの28勝になった藤井聡太四段は、間違いなく現在最も注目を集める中学生だ。

その藤井四段が勝ちを積み、29連勝で単独1位となるのかどうかが決まる2017年6月26日の第30期竜王戦決勝トーナメント1回戦、全国から向けられる注目に合わせるように、将棋会館(東京都渋谷区)周辺には多くの報道陣が詰めかけていた。

千駄ヶ谷駅前にいた親子「勝ってほしいね」


Jタウンネットが撮影、編集

竜王戦の持ち時間は1人5時間で、対局は長丁場になりがちだ。そんな中、報道陣は昼間から将棋会館に詰めかけていた。

筆者が最寄り駅のJR千駄ヶ谷駅に到着したのは13時過ぎ。駅から将棋会館へ向かう道中には、昼の休憩を取っていると思しき報道関係者が多く見られ、将棋会館前には大きなアンテナを備えた中継車も2台駆けつけ、藤井四段と増田康宏四段(19)の昼食のメニューを中継するテレビクルーが撮影していた。ちなみに、ふたりは蕎麦屋「みろく庵」から、藤井四段は「豚キムチうどん」、増田四段は「ミニとんかつ定食」を注文したという。

周囲からの注目度も高いようで、付近の住民と思われる人々が会館前を通りかかった際は、「ああ、今日は確か連勝がかかった対局の日だったね」と報道陣の姿に納得し、また、駅近くですれ違った親子も「藤井四段に勝ってほしいね」と会話していた。



また、将棋道具やプロ棋士のグッズが販売されている1階の購買部にもカメラが入っており、入口左右には対局終了後の取材に備えてか、撮影機材の搬入が終わっていた。外からは確認できなかったが、内部には更に多くの報道陣がカメラを構えていることだろう。





持ち時間5時間のこの一局が終わるのは20時や21時頃と予想されている。藤井四段が将棋の歴史に新たな記録を打ち立てるのか、増田四段がそれを阻止するのか、決着まで目が離せない。