上溝南高等学校(神奈川)
■相模原市民から愛される上溝南高校神奈川県相模原市中央区にある上溝南高等学校は、1976年に開校された県立高。相模原線番田駅から徒歩で10分程の場所にある学校で、相模原市出身の生徒が非常に多く、野球部も、相模原市出身の選手がほとんどで、選手たちは自転車で学校に通っている。春は県大会3回戦まで勝ち進んだ同校の取り組みを追った。
■他部活との共用で汗を流す日々上溝南のグラウンドは他部活との共用で、グラウンドを全面に使えるのは2週間に1回。それも月曜日に使うことが決まっている。自分たちが使えるグラウンドの広さを見ながら、どんな練習をするべきか?選手たちが相談しあいながら使用している。選手の自主性の高さに任せる気風があるチームで、同校を率いる田中春彦監督は主将の菅谷亮に練習メニューの組み立てなどを任せている。
■春ベスト32までの道のり今年のチームは「雰囲気野球」をスローガンに掲げてスタートした。菅谷亮主将は「自分たちは上手いプレーができる選手はいません。こういうチームがほかのチームに勝つにはどうすればいいのか?を考えた時、相手に気持ちで負けない、雰囲気を良くして戦っていくことを決めました」
だが秋では大和に敗退。この負けについて菅谷主将は「自分たちがやろうとしていた雰囲気野球ができなかった」と反省する。この冬はベンチワークと打撃の強化を充てて、1日500スイングを真剣に振ることをテーマにやってきた。
しかし一冬明けて、地区予選で、大和と再選。大和戦ではエース重原祐太の好投により完封勝利。地区予選3連勝で、県大会出場を決めたのであった。
県大会では大師を破り、3回戦進出、ここまでの戦いを振り返ると相手の方が被安打が多いが、それでもエース重原が粘り強く抑える投球で3回戦進出を決めた。そして3回戦では横浜隼人と対戦。しかし試合は、1対11と5回コールド負けとなった。菅谷主将は「ミスしたことも大きいですが、何より相手の応援の凄さに圧倒されてしまい、自分たちの雰囲気にできなかったことが大きな課題となりました」と、雰囲気野球ができなかったことを悔いた。
集合写真(上溝南)■上溝南を引っ張る選手は?注目選手は、1年からマウンドを経験してきたエース重原(2年)。右上手から最速130キロ中盤の速球、切れのあるスライダー、カーブをコントロール良く投げ分ける右腕。コントロールが良く打たせて取る投球が長ける。リードする梶原海都は強打の捕手。横浜隼人戦では唯一の適時打を打ち、勝負強さが光る。4番を打つ梶原はこの夏も、勝負強い一打を打つ。そして主将の菅谷も、バットコントロールが長けた遊撃手で、堅実な守備が光る。
■今夏への意気込み夏へ向けて、自分たちの雰囲気で野球ができるムード作りを心掛ける上溝南ナイン。勝ち進む課題として、打撃力強化を課題に挙げた菅谷主将。レベルが高い投手に対応できるために、監督にお願いをして、マシンを買ってもらい、日々、マシンで練習に励む毎日だ。
目標は春を上回るベスト16。徹底とした打撃強化。そして自分たちの雰囲気づくりを大事にして、この夏は上溝南旋風を巻き起こす。初戦は春ベスト32で強打の追浜。初戦から厳しい戦いが強いられるが、力を出し切って見せる。
左から重原 祐太選手、樋口 遥希選手(上溝南)主力選手が語る自分のアピールポイント!ここからは、樋口 遥希選手(3年)と重原 祐太選手(2年)の二人の副主将にお話を伺います!
Q.夏へ向けての課題や強化したいところを教えてください
樋口:打撃ですね。僕は足に自信があるのですが、それを生かすことができず、チームに貢献できませんでした。やはり課題は出塁率を高めていきたいと思いました。重原:制球力です。僕は制球力が持ち味ですが、春は乱れ気味で、まだそれが修正できていないので、夏までしっかりと仕上げていきたいと思います。
Q.ここまで振り返って高校野球で一番思い出に残っていることは何ですか?
樋口:2年秋から休みが少なくなったことですね。1日練習が多くなり、最初は辛いと思うことがありましたが、それがベスト32まで残ることができて、結果的に今までの日々が思い出となりました。重原:僕は1年夏からベンチ入りさせていただいたのですが、やはり先輩たちと一緒に夏を戦ったことが思い出となりました。
Q. 自分のここを見てほしいというところは何ですか?
樋口:僕は足には自信があるので、足の速さを見てもらいたいですし、あとセンターの守備にも自信があるので、それも見てほしいです。重原:僕は打たせて取る投球と三振を取る投球。どちらもできるとので、それを見てほしいです
Q.このチームの好きなところと、他のチームに負けていないところは?
樋口:チーム全員の仲が良いことですね。重原:僕もチームの仲が良いことだと思っています。
Q. この夏はこんな夏にする!という意気込みをお願いします!
樋口:目標はベスト16。自分の夏が終わった時、それはコールドではなく、接戦という形で終われば、悔しいけど、満足かなと思います。重原:先輩たちは最後の夏なので勝ちたい思いはありますし、1年から経験を積ませてもらっていますので、先輩たちの思いを背負って自分たちのピッチングをして、勝利に導きたいです。
樋口選手、重原選手、ありがとうございました!
練習風景(上溝南)ベスト16を超えてほしいここからは田中春彦監督にお話を伺いました!
Q. 練習の雰囲気を見ていると、選手たちが考えながら練習に励んでいるように見えました。
そうですね。今までは指導者主導になっていたところがありましたが、選抜出場の小豆島高校さんが実践している「ボトムアップ理論」。これを取り入れて、選手たちに考えさせることを意識させています
Q. 確かに練習を見ていると、主将の菅谷君がしっかりとチームを引っ張っているのが見られました。
菅谷が主導となり、チーム全体が練習メニューを組み立てています。
Q. 夏へ向けての意気込みと選手たちへエールをお願いします。
この春、ベスト32を目標に掲げて県大会に臨みましたが、彼らはその目標を達成することができました。夏ではベスト16。強い信念をもって、目標を達成してほしいですね!指導者として期待しています!
田中春彦監督、そして上溝南高校野球部の皆様、ありがとうございました!
今年も大好評!【僕らの熱い夏 特設ページ】各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!