早稲田実業vs九州学院
早稲田実業が九州学院を招いて行われたこの試合。先日高校通算100号を達成し、「道端で知らない人にも、おめでとうと声をかけられます」と笑顔で語った清宮 幸太郎選手はこの試合も「3番・一塁」で先発出場。
1回表の九州学院の攻撃を3者凡退で抑えた早稲田実業は、1、2番が出塁できず、清宮が迎えた第1打席。しかしここは平凡な左飛に倒れ早稲田実業も三者凡退。
その後、九州学院の4回表の攻撃。プロ注目、3番・捕手の村上 宗隆主将の右中間への犠飛で1点を先制する。その裏の早稲田実業の攻撃で迎えた清宮の第2打席。捉えた当たりはライト後方へ鋭く伸びるも、あと一歩伸びずフェンスギリギリで捕球され右飛に。
しかし4番・野村 大樹の二塁打と6番・小西 優喜の適時2点二塁打で逆転に成功した早稲田実業。6回裏には再び清宮。第2打席にあわやホームランという当たりが出ただけに、この打席には一層の期待がかかる中で、清宮の打球は左中間へ。今度は角度も十分。101号を期待する観客たちも打球の行方を追う。しかしこれもフェンスギリギリのところで阻まれ中飛に。
「3、4番で返すのがウチの形」とチームの主将として清宮が語るように、その前でチャンスを作れるかが早稲田実業にとって重要だ。そんな中、同点に追いつかれて迎えた9回裏の攻撃は、ここまで9回2失点と力投する2番・雪山 幹太から。ここで逆らわずレフト前に運び、清宮の前に無死一塁のチャンスを作る。
「4打席目までは詰まっていたと思うんですが、この打席はうまくためて打てました」と清宮本人が振り返るように、チェンジアップを軽打しレフト線へ運び二塁打に。無死二、三塁と絶好のサヨナラのチャンスを演出し、結局この後九州学院のミスも絡んでサヨナラに成功した。
試合後清宮は、2失点完投勝利の雪山を称賛した。
毎回の攻撃前に和泉監督、そして主将清宮を中心に円陣を組むが、この日清宮が繰り返して発したのは「下位打線が出て中軸につないでいこう」という言葉。これに関して「8回までは打線が沈黙していたが、最終回はいい形でつなぐことができた」と清宮は振り返った。
（取材・写真＝編集部）
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