神奈川大会をさらに楽しむには?各ブロックの見所、盛り上がりどころを紹介!

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 6月10日、第99回神奈川大会の組み合わせが決まった。各ブロックの有力校や各ブロックで、何回戦が見所なのかについても紹介していきたい。

一番の激戦ブロックは桐蔭学園ブロック

万波中正(横浜)

 春準優勝の横浜は、開幕カードの。高浜と南の勝者と対戦。このブロックの有力校なのは、強打の捕手・山本 雅樹がチームを引っ張る武相。ノーシードからのスタートになったが、ぜひ強さを見せていきたいところだ。

 隣ブロックの弥栄ブロックで注目なのが昨夏8強の藤沢翔陵。県大会では横浜にコールド負けを喫したが、この負けをバネに必ず這い上がるチームだろう。エース・西澤 翔太が全国レベルの打線に通用するピッチャーへ成長しているのか?同ブロックでは古豪・横浜商の戦いぶりにも注目が集まる。

 このブロックの山場は5回戦あたりで大きく盛り上がりを見せそうだ。

 平塚学園は旭丘vs津久井浜の勝者と対戦。今年は絶対的なエースが不在だが、元気がよく、気合が入った好チーム。攻守ともに安定しているが、強豪校と当たった時の戦い方が春から成長を見せているのか注目。ノーシードでは、山手学院の戦いぶりに期待したい。同ブロックのシード・相洋は住吉と海老名の勝者と対戦。相洋は昨秋、横浜と再試合を演じた好チーム。攻守ともに粘り強いチームだが、そこに個々の強さが加わるとより強いチームになっていくはず。

桐光学園は鎌倉と百合丘の勝者と対戦。桐光学園は総合力が高い選手が多く、投打とも仕上がっている。あとは、第一シードの強豪校に負けない粘り強さ、気持ちの強さを身に付け、そして相手を上回る戦略の巧さで、神奈川の頂点を勝ち取っていきたい。このブロックで怖いのは戸塚の存在だろう。この春は桐光学園相手に6対7と接戦を演じているチームで、躍進が期待できそうだ。

 桐蔭学園のブロックは公立の有力校が集結した。1回戦から見逃せない戦いが多い。今春3回戦まで勝ち進んだ追浜と上溝南が激突。追浜はつながったら止まらない強力打線が特徴で、上溝南は巧打堅守のショート・菅谷亮、エース・重原祐太を中心にまとまりある好チーム。ベスト16を目指す上溝南にとっては1回戦から厳しい対決となった。さらに藤沢西vs大師の対決や、同ブロックに相模原、瀬谷も登場。桐蔭学園にとっては苦しいブロック。1回戦〜4回戦まで見逃せない試合が多く、桐光学園、桐蔭学園ブロックの一番の見どころは5回戦でどの学校が勝ち上がるのか。神奈川の高校野球ファンはこのブロックの状況を1回戦から追いかけて行ってほしい。

序盤戦から注目すれば、トーナメントはもっと楽しくなる

安里海(東海大相模)

 秋王者の慶應義塾は大井と相模原総合の勝者と対戦。慶應義塾は練習試合から多くの投手を登板させ経験値を高めてきた。エース森田 晃介に頼りすぎず、大事な試合でも投げさせる投手を1人でも多くしたいところ。打線は去年以上に破壊力、機動力を兼ね備えており、夏の経験者も多く、そして精神的にも強い選手が揃っているので、自分たちのペースに乗れば、一気に勝ち進んでいきそうだ。同ブロックでは、光明相模原、藤嶺藤沢の戦いぶりに注目が集まる。そして最速143キロ右腕の石井 涼擁する三浦学苑は、向の岡工と慶應藤沢の勝者と対戦。初戦からきつい戦いが始まる。

 トーナメント表の右側のブロックは、前半から激しいカードは少なく、4回戦、5回戦から盛上がりを見せる展開となりそうだ。

 初の第一シードを獲得した星槎国際湘南は上矢部と厚木の勝者と対戦。総合力の高さはトップクラスだが、初の甲子園出場へ、エース本田 仁海の負担をどれだけ減らして、準々決勝、準決勝、決勝まで勝ち進むことができるかが問われる。そのためには本田以外の投手陣の活躍がカギとなる。同ブロックには強豪が多く、シード校・大和南のブロックでは、川崎工科、日大高の戦いぶりに注目が集まる。日大高は夏へ向けて戦力を整理していきたい。

シード校の橘学苑は逗葉と湘南学園の勝者と対戦。同ブロックには立花学園がいる。今年の春季県大会では「同名対決」が実現したが、対戦が実現すれば、4回戦の予定だ。

強打の横浜創学館は鎌倉学園vs鶴見の勝者と対戦。同ブロックでは湘南が手ごわい相手となるだろう。

 関東大会準優勝の東海大相模は、川崎北と横浜南陵の勝者と対戦。東海大相模はこの春から急速的に力をつけ、投打ともに総合力は神奈川どころか、全国的にもトップクラス。優勝候補に相応しい実力を身に付けてきた。能力の高さだけではなく、1球に対する執着心も強く、その姿勢を大会通して貫くことができるか。同ブロックだと、打力に力がある橘だろう。春は県大会初戦で負けたが、この夏、浮上する可能性を持ったチームだ。

 シードの向上は法政二と厚木西の勝者と対戦。向上はどちらが勝ち進んでも厳しい相手となりそうだ。強打の横浜隼人は、相模向陽館とサレジオ学院の勝者と対戦。同ブロックには昨秋4強もノーシードからスタートの横浜商大高、打力をつけてきた日大藤沢、ノーシードの湘南学院の戦いぶりも見逃せない。

 7月8日から開幕する神奈川大会。決勝戦は7月29日と長期間に渡り、勝ち進むごとに連戦が続いていく。そこまで気持ち、体力のスタミナを維持できるかも大事になる。いつも大会は終盤になるほど、盛り上がるが、やはり序盤戦から見続けて、トーナメントはぐっと面白くなる。ぜひ1回戦から選手たちの白熱とした戦いぶりに注目してほしい。

(文=河嶋 宗一)