【沖縄展望】いよいよ来週開幕!群雄割拠の沖縄を制するのは?
来る6月17日から約一ヶ月間、全国高等学校野球選手権沖縄大会全62試合が行われる。昨年の夏は嘉手納が初出場を果たすなど、県立校の躍進も大きい沖縄では毎年のように群雄割拠の様を呈するが、今年はどうなのか。大会前の展望を述べてみる。
沖縄尚学が入ったAブロック、好カードが目白押し!砂川 リチャード(沖縄尚学)
秋は無念の3回戦敗退。しかしその悔しさをバネにのぞんだ春季県大会で見事優勝した沖縄尚学がシード。河野 哲平、與座 巧人、岡留秀貴の投の3本柱と安里 大心、砂川 リチャード、知念大成ら打撃陣の能力の高さは、他校を一歩引き離す。加えて招待野球の早稲田実業戦での、3点差の9回に2点を返した伝統の終盤の強さは健在。チームとしてはプレッシャーの掛かる初戦を納得のいく形で突破出来れば、3年振りの優勝はグンと近づくだろう。好カードが多いのもこのブロックだ。
春季県大会ベスト8の宜野湾と、秋季県大会ベスト4の那覇。秋季県大会で沖縄尚学を破ったコザと、新人中央大会と秋季県大会で美来工科と互角の戦いを繰り広げた名護の二つのカードは、互いに実力伯仲。近年の上位進出常連校の糸満vs西原、秋季県大会ベスト8の宮古総合実vs那覇商も興味深い。
興南、宮古など実力校ひしめくBブロック上原 麗男(興南)
秋季県大会準優勝、春季県大会4位の興南が頭一つ抜け出している。左腕川満 大翔が春復活。宜野座戦で6回無失点、沖縄尚学戦では7回にこそ崩れたが6回まで2失点とゲームを作れることを証明。加えて宜野湾戦で完投した上原 麗男や、宜野座戦の終盤3イニングを完璧に抑えた藤木琉悠とコマは揃う。打撃陣も仲村匠平、伊礼 希龍と出塁率の高い選手が続き、上原 麗男が3番に座る。後続を任される福元 信馬、中山莉貴、嘉数尊らのバットが2年振りの奪還のカギとなる。
秋、前評判の高かった未来沖縄を破り、春も16強入りした真和志や、一年生から経験を積む金城良太郎の豊見城、昨年末の一年生中央大会で準優勝した沖縄工や小禄も侮れない。
その中で一番の対抗馬は春季県大会ベスト8の宮古か。美来工科戦で敗れたものの、山内 慧から7回までに5得点を奪うなど合計15安打をマークした打線は脅威。その試合、5打数5安打2二塁打を記録したトップの与那覇凛を筆頭に、身体能力に優れる選手が揃うだけに、"宮古島から初の甲子園"の悲願達成なるかにも注目だ。
県内屈指の打線を誇る美里工や、春8強同士の対戦に注目伊佐 翼(美里工)
春季県大会準優勝、九州地区高校野球大会ベスト4の美里工がシード。県内全てのチームの中でも1、2を争うほどの強力打線に仕上がった。春の大会で2本塁打、招待野球での早稲田実業との戦いでもサク越えを放った主砲・伊佐 翼と、4番崎濱楓希の大砲コンビは他校の投手を圧倒する。唯一の不安は投手陣。島袋寿成を柱に、春季県大会で好投を見せた花城紘人、大城勝斗、野末琉斗らの底上げに期待したい。
浦添商と石川は春季8強同士の対戦とあって注目。浦添商には野原紅弥、石川にも嘉陽錬という投の柱がいるが、両軍共に打線も繋がる。さらに両者とも、春ではそれぞれ秋の4強を倒しているという共通点も見逃せない。もう一つの好カードが、共に悔しい春を過ごした知念vs未来沖縄。知念は大城 拓巳、玉城宗楽の右二枚に左腕・宮城隆弥が控える。未来沖縄は、昨年末の一年生中央大会で優勝の立役者となった新垣 龍希がエースとして一本立ちし、沖縄尚学打線を苦しめた。
打線では知念の山城響と未来沖縄の神谷優斐に注目が集まる。新人中央大会3位で、春は宜野湾に惜敗した八重山は、川満拓也、東盛隼己ら前チームからレギュラーを張る選手たちの奮起で、初戦を突破し美里工へ挑戦したい。
美来工科が一歩リードのDブロック、八重山の怪腕にも注目山内 慧(美来工科)
新人中央大会、秋季県大会連続優勝、春季県大会3位の美来工科が頭一つリードする。エースで4番の山内 慧を筆頭に神山 諒介、古謝 僚人、山川倫輝、平川輝、松田快晴らの打棒は美里工をも上回る。速球派の山内とは真逆で、相手打者の目線を変えるアンダースロー・比嘉 太陽の存在も、他校にとってはやっかいだ。
秋季県大会8強の宜野座と名護商工の試合巧者同士の対戦や、秋春連続16強の首里東と、秋季県大会8強の嘉手納が好カード。150Km越えをマークする沖縄県高校野球球速歴代ナンバーワンの島の怪腕、八重山商工の平良 海馬にはスカウトの姿も多く見られそうだ。春季大会2試合で16安打22得点の首里打線との対決は見ものだろう。
(文・當山 雅通)
注目記事・今年も全国各校の熱い想いを紹介!「僕らの熱い夏2017」