看板にドラマがある... めくるめく「スナック名称研究」の世界【探訪!スナック珍名さん】
みなさん、こんにちは。全国スナック名称研究会代表、コラムニストの中丸謙一朗です。全国を放浪している素浪人です。
さて、ここに載せた写真はスナックの看板です。そこには名称だけが書かれています。
行きたいか、行きたくないかを、ほんの二秒ぐらい考えてみてください。それがこのコーナーのテーマです。
いえ、巷でスナック探訪は流行っていますが、この研究会は、けっしてその店を訪ねることはありません。なぜなら、名前だけでそのスナックを味わうことに意味があるからです。
一生懸命につけたのか。投げやりにつけたのか。そして、どんなママさん、どんなマスターがつけたのか。スナックの名前にはいろんな物語があります。ただ、わたしは、「ああ、つけちゃったんだ、そんな名前。。。」と、じんわりとその店の主の思いが伝わってくるような、そんな名前にこだわっています。
それでは、全国を旅して見つけた、「全ス研」収集によるスナック「珍名さん」の数々を、ゆっくりと味わってみてください。
【第1発目】「気立ての良いなまはげ」(採取地・秋田男鹿半島)
なんでも、落ちこんでると、気立てのいいなまはげが話を聞いてくれるらしい。。。珍名度★★★
【第2発目】「痒いところと痛いところ」(採取地・会津若松)
カッパクラブも拍子抜けだが、ここで注目は、スナック「前の女」。痒いところに手が届くと言うか、届きすぎというか、男をグダグダにさせるの必至、なネーミングである。珍名度★★★★
【第3発目】「そこはかとない孤独さ」(採取地・佐賀県のどこか)
そこはかとない孤独さを感じさせるある意味秀逸なネーミング。ワクワクするか、絶望的な気分になるかは、その日次第か。珍名度★★★
【第4発目】「王様の代償」(採取地・某温泉地)
スナック「王様気分」。。考えようによっちゃ、いかにもデンジャラスなスナックの風情。「あ? お客さんね、さんざん王様気分になって女の子侍らしといて、あとでゴタゴタ言うのはなしにしましょうよ。きっちり、払うもんは払っていただかないと。こっちも慈善事業じゃないんでしてね。なんなら、出るとこでましょうか?」。おお、こわ〜。いや、単なる想像ですけどね。隣接する「真赤なティーダ」もイミフで恐怖。珍名度★★★
【第5発目】「混ぜるな危険」(採取地・長崎)
さ、さんぽーる。一瞬、目を疑った。これはトイレの洗剤の名前ではないのか。あの「混ぜるな危険」のヤツ。新手の自虐なのか。外国のお公家さんの名前とか、宗教上のなんかアレなのか。あるいは、マスターの高校生の時にあだ名とか。いったいなかではなにが待ち受けているのか。珍名度★★★★★
【第6発目】「黒真珠の味わい」(採取地・浦賀)
スナック黒真珠。(昭和の人にしかわからない言い方だが)天知茂感漂うムーディーなネーミング。さすが浦賀。黒真珠の黒は黒船の黒? 余談だが、小学校の低学年の頃、男はおとなになると全員自動的に天知茂か水原弘みたいになるのだと思っていた。そんな淡い昭和の記憶を呼び覚ます渾身の一枚。珍名度★★★
*注 この企画はあくまでも公に公開されている風景としてのスナックの看板および名前を味わうための企画です。採取した時期もさまざまですので現在も存在しているかどうかは不明です。なお、実際のお店の状況には責任を負いませんので、個人の責任にてお楽しみください。
全国スナック名称研究会では、読者のみなさんが発見した「珍名スナック」の看板画像を募集しています。寄稿フォームかメール(toko@j-town.net)で、ペンネームと発見場所、あなたの年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。ツイッターのハッシュタグ「#全ス研」でも受け付けます。なお、いただいた投稿の一部を改変・編集する場合があります。あらかじめご了承ください