田舎暮らしは、ご近所同士の付き合いが密でいい――とはよく聞く話。しかし人によっては、その濃密な関係がむしろ「負担」だという人もいる。

広島県のHさん(30代女性・パート)は子どものころ、父の仕事の都合で離島に暮らしていた。しかしささいなトラブルで地元住民から嫌われ、辛い日々を過ごす羽目に――。

文句を言ったら「これだからよそ者は」

広島県のA島に、父親の仕事の都合で2年ほど住んでいたことがあります。

当時、私は小学校5〜6年生。母親も30代前半とまだ若く、これまで暮らしていた市内とは勝手がまったく違う島暮らしに、どうしても馴染むことができませんでした。

画像はイメージです(Melanie Lazarowさん撮影、Flickrより)

なにしろ、小学校に行けば同級生はたった数人、信号機もない、コンビニもない。ご近所さんは玄関のベルも鳴らさず、縁側から勝手に入ってくる。ほしくもない、食べきれないほどの大量の野菜をしょっちゅう持ってくる。島の活性化だ、といっては、行事には常に強制参加。

そうした付き合いの深さに耐え切れず、両親があるとき「やめてくれないか」という趣旨のことを、オブラートに包んで申し出たのですが、たったそれだけで「これだからよそ者は」とご近所中の噂になり、村八分のような扱いを受けるようになってしまいました。

小学校でも「あの子とは付き合っちゃダメ」

ご近所は、自分の子どもにも「あの家のことは深く付き合っちゃダメ」と指示し、私は小学校で途端に一人ぼっちに。両親も、ご近所から疎外され、無視されるようになってしまいました。

そこに永住するわけでもなし、強制的にプライベートにずかずか踏み込んできて、ちょっと逆らっただけでよそ者扱い――。結局、父親が会社に早期に転勤させてもらえるよう申請して、島を出るまで、この問題は解決することはありませんでした。

郷に入っては郷に従え、とはいうけれど、古いしきたりを押し付けるような相手がいるときには、時には折れることも大切だと子どものうちに体験できたのは、今振り返ってみるといいことでしたね。

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