自身が実践するヨガのハウツーを一冊にまとめた『長友佑都のヨガ友』を出版した、長友佑都【写真:編集部】

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「ヨガなんて楽勝」から一転ポーズができないことに衝撃受ける

 2016年12月、サッカーの長友佑都(インテル)が、自身が実践するヨガのハウツーを一冊にまとめた『長友佑都のヨガ友』(飛鳥新社)を出版。27日、出版会見に集まったメディアの前で、肩甲骨回りをほぐすポーズを披露した。

「僕は肩を4回脱臼し、最初はこのポーズもまったくできなかったが、続けるうちにできるようになった。体は下半身よりも上半身が大事、というのが持論。上半身が硬いと下半身も硬くなるが、柔軟性を保てば脚の動きもついてくる実感がある」

 日本では主に女性の間で健康法やボディメイクの手段として広まっているヨガ。しかし海外では以前から、メンタルトレーニングやコンディショニングのために、実践するトップアスリートはいる。格闘家のヒクソン・グレイシー、サッカーのライアン・ギグス、テニスのノバク・ジョコビッチ。バスケットボールではかつてNBAのシカゴ・ブルズも実践していた。日本のサッカー界では3月のロシアワールドカップ予選の合宿中、長友が香川真司(ドルトムント)、清武弘嗣(セビージャ)、岡崎慎司(レスター・シティ)らにヨガを教えていたことで注目が集まった。

 長友がヨガを始めたのは2014年。4回目となる右肩の脱臼に悩んでいたとき、母親に勧められたことがきっかけだったという。内心は「ヨガなんて楽勝」と思っていたが、体がガチガチに固まり、まったくポーズができないことに衝撃を受けた、と振り返る。

ケガの減少、ブレない精神…ヨガの瞑想も導入

「当時、肩の脱臼を繰り返していたし、筋トレのやりすぎもあり、筋肉の柔軟性が低下していた。それから2年間、毎日ヨガを続けたら、身体がしなやかになり、ケガも減った。今では筋トレや体幹トレーニングも大事だが、一方でゆるめるトレーニングも必要だと感じている」

 長友はインテルの練習前後にヨガのポーズで身体のコンディショニングを行うほか、就寝時や試合前には、ヨガの瞑想も取り入れているという。

「以前は不安やネガティブな思考が頭に浮かび、それがプレーにも悪影響となっていた。ヨガを始めてから思考もポジティブになり、試合に出る、出ないに関係なく、毎日、やるべきことをしっかりやろう、というマインドに切り替わった。雑念が排除され、ブレない精神力も手に入れました」

 ケガをしにくい柔軟性と、揺るぎないマインドを手に入れるヨガ。アスリートにとって欠かせない身心のコンディショニングにつながるというだけに、ますます注目されそうだ。