今も残る「営団地下鉄」時代の痕跡を探してみた
帝都高速度交通営団。なんとカッコイイ響きだろう。「声に出して読みたい固有名詞」ランキングがあれば、ぜひとも推薦したい。知らない人のために簡単に説明すると、東京メトロ(企業名は、東京地下鉄)の前身のこと。通称「営団」といえば、思い出す人も多いだろう。
帝都高速度交通営団と書かれたマンホール(以下、2016年11月2日、Jタウンネット撮影)
この法人は、戦時下の1941(昭和16)年に発足し、2004年の東京メトロ移行まで63年間にわたって、都内の地下交通を担ってきた。そんな「営団」が消えてから12年、どこかに当時の痕跡は残っていないか。気になった記者は、探してみることにした。
ブラタモリにも出てきたマンホール
インターネットを調べてみると、千代田区内に営団マンホールがあるとわかった。場所はJR中央線の小柳橋架道橋付近。橋のたもとに、アルファベットのSを「帝都高速度交通営団」の文字でかこんだものが埋め込まれていた。
マンホールの全景
実はこのマンホール、人気番組「ブラタモリ」(NHK)で、メトロ広報が紹介していた。放送では「もうすぐ無くなる可能性が高い」からと、タモリさん一行が「ご苦労様でした」と頭を下げてていたが、それから早5年、まだ現役で踏ん張っている。
近づいてみないとわからない
隣町の御茶ノ水にも、営団の痕跡があった。順天堂大学の間を抜ける道路上に、Sマークと「ずい道内消防用 連結送水管送水口」とかかれたフタがあった。一言で「Sマーク」といえども、さきほどのマンホールより図案化されたもので、多くの人の印象に残っているのはこちらだと思う。ちなみに「S」はSubway(地下鉄)に加え、Safety(安全)、Security(正確)、Speed(迅速)、Service(サービス)を意味している。
見慣れたSマーク
かつて「営団」を冠していた駅たち
続いてやってきたのは、東京都板橋区。有楽町線・副都心線の「地下鉄成増駅」「地下鉄赤塚駅」は1983年の開業から、東京メトロ発足までの21年間にわたり「営団成増駅」「営団赤塚駅」だった。この駅周辺をめぐれば、営団の痕跡はあるだろう......と思ったのだが、探せども探せども「営団」は見当たらない。
地下鉄成増駅
住宅街をグルグル歩くと、一軒だけ「セザール営団成増」なるマンションを見つけた。グーグル検索をかけても、「営団成増」の残る施設はここくらいのようだ。
セザール営団成増
地下鉄赤塚駅周辺も、同じくマンションの「コスモ営団赤塚」が存在するのみ。「いまでも右も左も、営団だらけなんじゃない?」との予想は大きく外れた。
コスモ営団赤塚
ちなみに練馬区へ入ると、「営団赤塚駅」と書かれた地図を見かけた。それどころか、東武東上線の下赤塚駅すら「赤塚駅」になっている。こちらは営団赤塚駅と違い、1930年の開業から同じ名前なのに。隣の区だから関係ないというのか。
川越街道沿いの地図
よくみると、Eidan!
――というわけで、営団をめぐってきた今回の企画。編集部に戻ってから、営団赤塚の隣、平和台駅前に「モスバーガー営団平和台店」があると知って後悔した。このほか、まだまだ名残はあると思われる。そこでJタウンネットでは、いまも現役で残る「営団」の写真を募集したい。
街で見かけた「営団」写真を募集しています
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