「ルドルフとイッパイアッテナ」を子供の頃ファンだった大人が観てきた

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映画「ルドルフとイッパイアッテナ」が公開されました。
原作は1987年に出版されたこちらの児童書。


子供の頃、NHK「母と子のテレビ絵本」で毒蝮三太夫の語りをワクワク聞いてた子供たちは、もう大人。
そうです。私はその大人の一人です。


こんな大人(猫)になりたいと思ったあの頃。
VHSも持ってました。

もちろん原作本も読んでます。

デザインが以前のテレビシリーズと大きく違うとか、一本の映画にするとエピソードがはしょられて嫌だとか、
ちらちら聞こえるファンの声。わかります。わかりますとも。

でも、とにかくまたルドルフとイッパイアッテナが観られるのが嬉しい。
そんな気持ちで観に行ってきました。

より子供向けになってる


もともと児童書ですが、今回の映画はより低年齢を意識して作られてます。
まず主人公のルドルフが、かなり子猫。
旧作のテレビシリーズではイッパイアッテナがとにかくデカいくらいで
ルドルフと他の猫達のサイズはあまりかわらないので、まず「ルドルフ幼い!」ってなります。


現実の猫だとこうなるくらいの年齢差。あ、こんなシーンはないです。

他にも「ケガをしても血が出ない」とかだけじゃなく
原作にはあった「故意に悪い事をしようとする」部分が削られてます。
「当てようと思って物を投げる」が「うっかり足をすべらせて持っていた物を投げてしまう」になってたりとか。
悪い奴は一人もいません。

ルドルフの一人称視点で書かれた原作にはルドルフの独白が多いですが、映画ではいっさいそれもありません。
なのでルドルフが察した相手の気持ちは、そのキャラクターが自分で言ったりします。

かなり小さなお子さんにもわかりやすい作りになってます。
ややこしい事を考えるのに疲れた大人も癒されに行きましょう。とにかく猫がかわいいです。

今の時代に合わせてある



こんなシーンはないです。こういう意味ではなくて。

原作では、ルドルフが「泣くのを我慢」する場面がよく出てきます。
それからかっこつけてみたり、つっぱってみたりもします。
でも映画のルドルフはかっこもつけないし、とにかくよく泣く。
大人になってからも、一人の時じゃなくみんなの前で泣きます。

「大人は泣かない」とか「男が簡単に泣くもんじゃない」等の考えが、昔は結構強くありましたけど
「大人だろうが男だろうが辛い時に人前で泣いてもいいじゃない」ってところが、ちょっと時代の流れを感じます。


大人になったファンのみなさんへのおすすめ


原作と違う部分を楽しんでしまうのがおすすめです。おもいきり子供向けにふってある分、自然とあたたかい目線になります。
「母と子のテレビ絵本」ファンだった方は、ぜひトラック運転手の親父に注目してください。
私は声の懐かしさで端役の親父が好きになりかけました。

映画を観た、原作未読の子供たちへのおすすめ


はしょられたエピソードも、いろんな場面でルドルフが考えていた細かい事も
原作には映画にないものがたくさん詰まってます。

映画の範囲は原作の一巻と二巻。

ちょっと熱い、かっこいいセリフや展開が多いです。いちばん楽しく読めるのは小学校3、4年生くらい。
今年の夏休みの宿題、読書感想文ありませんか?
(イラストと文/たきりょうこ)