止まらない高視聴率を4つのポイントで考察「とと姉ちゃん」103話

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連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第18週「常子、ホットケーキを作る」第103話 8月1日(月)放送より。 
脚本:西田征史 演出: 岡田健


17週の平均視聴率は23.2%と、夏休みに入っても絶好調の「とと姉ちゃん」。
103回から好感度ポイントをピックアップしてみたい。

1.うざさを緩和


水田「鞠子さん 僕とおつきあしていただけないでしょうか」
鞠子「どうしてこんなときに」
水田「ぼくにもよくわかりません、盛り上がってしまって」

伊藤淳史、こういう汗マークがいっぱいつきそうな舞い上がり演技がホントにうまい。
受ける相楽樹のおっとりした口調が、水田のうざさを緩和する。
鞠子が、常子(高畑充希)と花山(唐沢寿明)のふたりを「わたし夫婦みたいって思ってたんです」と言うけれど、鞠子と水田のほうがお似合い。でも前述のごとく水田がタイミングを間違えたため、進展ならず。残念。

2.都合良くヘルプ


広告をめぐる意見の不一致により花山が辞めてしまい、三人姉妹だけで最新号を作らないとならなくなった。
美子(杉咲花)が考えた目玉企画・小麦粉を使った料理の紹介をするため、森田夫婦を訪ねる三人。あまりにも都合良く、旧知の人物が東京に戻ってきて洋食をはじめるとは。いや、運も実力のうちだから。

3.誰も目立たせない


宗吉と照代が店の経営に関して、かたや儲けたいから洋食、かたや、お金よりも大切なものがあるのではないか(森田屋の弁当を引き継ぐこと)という意見で対立。常子と花山とまるで同じ。反復することで、どこも同じような悩みを抱えていると思わせる。それにしても、ピエール瀧と平岩紙という個性派俳優を都合よく話を進めるための機能キャラとして使ってしまうとは。花山の唐沢以外に目立つ芝居を一切させない徹底したストイックさにむしろ好感が沸いてくる。

4.希望がある


森田夫婦の洋食屋に、綾(阿部純子)や梢(佐藤仁美)が常子に呼ばれてやって来た。彼女たちがどんな協力をするか気になる以上に、すっかり清々しい顔になっている彼女たちは未だ女給さんをやっているんだよね?ということが気になって気になって。職業に貴賤なし。どんな仕事していても衣服を充実させて誇り高く明るく生きる希望を描く「とと姉ちゃん」。これもまた高視聴率の秘訣かも。
(木俣冬)