【千葉抽選会後 展望】注目は木更津総合vs銚子商・柏南だけではない!見所満載の千葉大会を徹底紹介!

写真拡大 (全2枚)

 6月17日、第98回千葉大会の組み合わせが決定した。木更津総合vs銚子商・柏南の勝者がぶつかることが注目される今大会だが、よく見ると、序盤から見逃せないカードが多く、早くも波乱が起きるのではないかというトーナメントになっている。参加校170校と参加校が多く、どれが見所なのか分からない方に今年の注目カードを紹介!こちらもおススメ【千葉展望】やはり今年も戦国!甲子園を狙える強豪校と怖いノーシード校は?組み合わせ表を見ながら展望を読んでみよう第98回千葉大会組み合わせ表

成田・国分ブロック 夏に強い習志野がカギ

内山 京祐 (習志野)

 攻守ともに総合力が高い成田。昨秋からチーム力の高さが光っていたが、ミスが多く、取りこぼしが多かった。だが一冬で技術、精神力ともに磨き上げ、県内上位のチームに成長。春はベスト4入りを果たし、Aシードとしてスタートする。初戦の相手は千葉日大一vs八街の勝者と対戦。春季大会で見せた盤石な試合運びで勝ち上がることができるか注目をしていきたい。千葉日大一は1年生から登板を経験している吉崎 圭亮に注目だ。さらに同ブロックには、早稲田実業との練習試合で打撃戦を演じた佐倉、伝統校・成田、打線が良い津田沼、好投手・立木 夏蘭擁する土気と地味ながら実力ある公立が多いのがこのブロックの特徴だ。ノーシードの日体大柏は、九十九里と対戦。またノーシードに回った習志野は多古vs生浜の勝者と対戦と、初戦から厳しい戦いが強いられそうだ。習志野は、エース・並河 啓太、左の強打者・内山 京祐、俊足巧打の外野手・加藤 駿、勝負強い右打者・吉野 海都(2年)と選手層は厚く、また1年生が入ったことで、戦力はより強化されていくだろう。またCシードの国分も同ブロックであり、前半から激しい戦いが見られそうだ。昨夏はCシードながら決勝まで勝ち進んだ習志野はやはり怖い存在。このブロックのカギを握る存在になるだろう。

千葉敬愛・学館浦安ブロック ノーシードで怖いのは千葉市川、松戸馬橋、市立柏 

 またCシードの千葉敬愛は小金vs市川の勝者と対戦。千葉敬愛はエース・石松 卓己が伸びのある直球を武器にする好投手。また石松は打撃も良く、一発を打つ長打力も秘める。市川はブロック予選で東海大浦安に打撃戦(試合レポート)を演じて勝利したように、打力は高い。カギとなるのは強打の三塁手・宮村 友也や長打力に磨きがかかった宍倉 泰地だろう。

 一気に畳みかける攻撃で上位を目指したい、Bシードの東京学館浦安は、船橋二和と市立柏の勝者と対戦。強打者・高橋 聖人の打撃がカギ。さらに投手陣の駒数は豊富であり、うまく乗り切って勝ち切っていきたい。市立柏は打力のある渡辺 剛志を中心とした打線がウリ。投手力を整備して、勝ち進んでいきたい。また同ブロックには、昨秋、東海大浦安、松戸国際等を破って県大会に出場している松戸馬橋、隣の山を見ると、夏に向けて力をつけてくる大多喜、敬愛学園も同ブロックで、なかなか見逃せないカードとなっている。

 Bシードの千葉明徳は市原八幡と鶴舞桜ヶ丘の勝者と対戦。千葉明徳は攻撃力も高く、さらに継投策でうまく勝ち上がっていけるチームで、自分のペースで試合運びできるか。同ブロックには140キロ右腕・伊藤 翔など能力が高い選手が揃う横芝敬愛。順当にいけば3回戦で当たる予定で、前半戦の見所になりそうだ。

 Cシードの中央学院はエース・浅野 辰樹など昨夏の経験者が多いということ、さらに夏へ向けてしっかりと戦力を整理するチームなので、この夏も怖いチームになることは間違いない。また同ブロックには近年、強化を始めた暁星国際、東京学館船橋も同ブロックで、これもまた注目だ。

[page_break:市立船橋・千葉黎明ブロック 最大の注目は拓大紅陵vs国府台]市立船橋・千葉黎明ブロック 最大の注目は拓大紅陵vs国府台

 Cシードの市立船橋は印旛明誠vs成田国際の勝者と対戦。県内上位の打撃力、機動力を持つ市立船橋だが、投手力を整備して夏に臨んでいきたいところ。またノーシードに回った拓大紅陵も同ブロックで、いきなり初戦で厄介なスライダーを誇る鈴木 唯大擁する国府台と対戦。拓大紅陵打線が初見ではかなり打ち難い精度を持った鈴木を打ち崩すことができるか注目される。

 Aシードの千葉黎明は、打線がウリの松戸六実と麗澤の勝者と対戦。同ブロックには県立柏、四街道など実力ある公立校が揃ったブロックとなっている。

県内の実力校が集結した東海大市原望洋・木更津総合ブロック

島孝明(東海大市原望洋)

 春優勝の東海大市原望洋(試合レポート)は千城台と芝浦工大柏の勝者と対戦。エース・島 孝明は状態をこの大会をピークにもっていくことができるか?さらに金久保 優斗など島以外の投手陣もしっかりと実力を伸ばすことが夏も制するカギになりそうだ。隣の山を見るとCシードの東金に、流通経済大柏、桜林など県内上位を狙える学校がひしめいている。

 そして昨夏甲子園出場の専大松戸のブロックはかなり熾烈だ。専大松戸は、志学館と野田中央の勝者と対戦。今年の専大松戸は打撃が中心。スラッガー・丸茂 弘汰を中心とした破壊力ある打線は県内トップクラス。投手力に不安を抱えるが、打ち勝って波に乗っていきたいところだが、もし志学館が勝ち上がれば、かなり苦しい戦いになりそう。小林 功汰、都築 駿と好投手2人擁するチームで簡単には打ち崩すのは厳しそうだ。さらに打力のある東海大浦安、隣の山を見ると、思い切りの良い打撃を見せる沼南、伝統的に守備が高い船橋北、市立銚子など実力ある県立校が集い、また近年、力をつけてきている千葉学芸も見逃せないだろう。

[page_break:松戸国際・千葉経大附ブロック:我孫子、千葉商大付、木更津など厄介なチームが多数]

 木更津総合ブロックもかなり熾烈だ。いきなり銚子商vs柏南の勝者と対戦。初戦からエース・早川 隆久(関連記事)を投じなければ、勝てない試合展開になるだろう。あとは打線は春よりも状態を仕上げることができるか。また隣の山には千葉英和、さらに昨秋ベスト8(試合レポート)の稲毛、近年実力をつけてきて上位進出に期待がかかる幕張総合など好チームが多い。春夏連続出場を目指す木更津総合にとっては苦しい戦いになることが予想される。

松戸国際・千葉経大附ブロック:我孫子、千葉商大付、木更津など厄介なチームが多数

中村亮太(千葉経大附)

 Bシードの松戸国際は京葉工vs柏陵の勝者と対戦。隣の山を見ると実力校・東京学館と春のブロック予選で拓大紅陵を破った木更津が初戦で当たる対決も見逃せないだろう。Cシードの西武台千葉は船橋芝山と市立松戸の勝者と対戦。このブロックは実力は均一しており、勝ち上がる中で、勢いをつけることができるか。注目される。

 攻撃力の高さがウリの八千代松陰は、市川東vs我孫子の勝者と対戦。我孫子は、昨秋、今春ともに専大松戸に競り合いを演じたチームで、何といっても魅力は打撃。自慢の強打に加え、投手力がより強化されるようだと、この夏の台風の目になるかもしれない。さらに同ブロックでは吉山 栄太を中心とした強力打線とさらに投手陣の層が厚い千葉商大付が同ブロックで、こちらも序盤から激しい攻防が期待できそうだ。そしてAシードの千葉経大附は、茂原樟陽と袖ヶ浦の勝者と対戦。攻撃力、守備力ともに高水準で、エース・中村 亮太の安定感も高く、さらに中村以外の投手が出てくるようになると、勝ち上がりが期待できそうだ。

 こうしてみると、しぶとい力を持ったチームが多数おり、やはり前評判を覆すような夏になるのではないか。今年もぜひ戦国千葉に相応しい熱い戦いを期待したい。

(文・河嶋 宗一)

注目記事・2016年度 春季高校野球大会特集