2016年6月7日夜、岩手県花巻市にある老舗デパート「マルカン百貨店」が、43年の歴史に幕を閉じ、多くの人々に名残りを惜しまれながら、閉店となった。

「マルカン」最大の人気は、昭和レトロの雰囲気が漂う展望大食堂。高さ約25センチの特大ソフトクリーム、スパゲッティナポリタンの上に豚カツがのった「ナポリカツ」が有名で、花巻市民はもちろん観光客からも愛されていた。

同日、次のような写真付きのツイートが投稿された。

写真は見るからにおいしそうなプリン。「大好きなマルカンが最後の営業でやんす」というコメントと共に、「時間がある方は是非おでってくなんせ」というメッセージも添えられている。

この日、多くの人々が、「マルカン」に押し寄せた。

「マルカン来てみたけどすごい並んでます...」


マルカン百貨店（Mutimaroさん撮影、 Wikimedia Commonsより）

「マルカン」最後の日を見届けようと集まった人から寄せられたツイートを見てみよう。

写真は、階段にずらりと並ぶ行列、「マルカン来てみたけどすごい並んでます...」という報告だ。「テレビカメラも来てるし断念します...」とつぶやいている。

TVIテレビ岩手の公式アカウントからは、上のようなツイートも投稿されている。地元では特集も企画されたようだ。

地元のテレビ局だけではない。岩手県の広聴広報課の公式アカウントからも、上のような投稿が......。まさに県を挙げての、お別れモードに突入している。

「落ち着いて食べられない（泣）」というつぶやきもあったが......、

「すべてがいい感じにレトロ」と思い出に浸る人もいる。

「ありがとう、おつかれさま」「さらばマルカン百貨店大食堂」といったコメントが多い。「そのままの姿でまた会いたいね」「復活することを皆で祈りましょう」という言葉には、実は理由がある。

花巻市内の地元企業が、食堂をそのまま残した上で、建物の運営を引き継ぐ方向で検討を進めているという。ただ営業終了の背景に、建物の老朽化問題があった。耐震性強化のために大規模改修が必要で、改修工事などの資金が集まるかどうかが、復活の鍵と言える。結論は、8月末までに出されるとのこと。