タイムリーわずか1本で好投手に勝利!

神田大雅(大阪商大堺)

 タイムリーわずか1本ながら4点を奪った大阪商大堺が、好投手を擁する大体大浪商に完勝。準決勝進出を決めた。

 立役者は静純也監督が、「出来すぎです」と讃えたエース・神田大雅(2年)。188センチ80キロの体を生かし、始動時に左足を少しだけ引く独特な投球フォームで相手打線にタイミングを合わさせなかった。

 神田のフォームは、足を上げるまでは外国人投手のようにも見えるためタイミングがとりにくい。「夏まではセットポジションで投げていて、秋の大会が始まる直前に今のフォームにしました。静先生からぎこちない投げ方をしているので、自然体で投げるようにと言われたのがきっかけでした。歩きながらそのまま投げるという意識です」とフォームについて解説した神田。さらに四球0がピッチングを楽にした。

 攻撃では唯一のタイムリーとなる三塁打を2回に放った7番・辻義鷹(2年)が光った。大体大浪商のエース・西田 光汰(2年)の直球が立ち上がり高めに浮いていた。その中で、一死二塁のチャンスからカーブを振り抜いて、左中間を破った。「初球からいこうと決めて直球を狙っていたのですが、振りはじめたらカーブとわかって、後は体がついていった感じですね」と笑顔を見せた辻。7回には自分の判断でセーフティバントを成功させ、貴重な追加点を挙げるきっかけを作った。「先輩達ができなかったこと(甲子園出場)を何としても僕らがやりたい」と2年連続の近畿大会が懸かる準決勝を見据えた。

 敗れた大体大浪商の142キロ右腕・西田。タイムリーは辻に打たれた1本だけで、被安打も4と力投した。悔やまれるのは7回に与えた3点目。一死二、三塁で一度三塁に牽制した後、今度は二塁に投げようとしてフワッと浮き、暴投となってしまった。一冬で次の1点を与えない、負けない投手に成長してほしい。

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