霞ヶ浦エース・飯村将太が4安打完封勝利で2年ぶり6度目の関東大会出場決定!

飯村 将太(霞ヶ浦)

 茨城大会準決勝第2試合は、第2シード・霞ヶ浦と、準々決勝で第3シード・水城を破った太田一というカードとなった。太田一は26年ぶりの準決勝進出であり、この躍進を喜ぶ多くのファンがひたちなか市民球場に詰めかけ声援を寄せた。

 霞ヶ浦はここまでの2試合に、背番号1の飯村 将太と背番号3の根本 将汰が登板している。一方、太田一はエースの和田 凌吾が3試合23イニングを1人で投げ抜いて勝ち上がってきた。この試合では、両チーム背番号1のエース対決となった。

 試合は5回までを45分で終える。両投手が打たせて取るピッチングでテンポよく進む。太田一は霞ヶ浦先発・飯村から1本もヒットを打てず、振り逃げで出したランナーも牽制で刺されて5回を15人で終える。霞ヶ浦は4回と5回に強攻策がゲッツーとなり、ランナーは出すものの得点には至らない。

 6回表、太田一は二死から9番・飛田 拓巳(2年、那珂一中)にチーム初ヒットが生まれるが、1番・関根 亮太(2年、大宮中)は空振り三振に倒れる。

 6回裏、霞ヶ浦が均衡を破る。一死から1番・益子 侑也(2年、水戸東シニア)のサード正面のゴロはエラーとなり出塁すると、盗塁で一死二塁。ここで二塁牽制が暴投になり三進して瞬く間に一死三塁となる。迎える2番・佐野 如一(2年、土浦霞ヶ浦ボーイズ)はフルカウントからレフト前タイムリーを放ち、霞ヶ浦が1点を先制する。試合の流れは一気に霞ヶ浦に傾いたと思われたが、ここで一走・佐野が牽制で刺され二死。続く3番・根本 将汰(2年、取手シニア)がこの日3本目のヒットとなるセカンド強襲内野安打で出塁し、4番・根本 薫(2年、取手シニア)は四球で繋ぐが、5番・木村 翔大(1年、新治中)はショートゴロに倒れる。(太田一0ー1霞ヶ浦)

 7回表、太田一は先頭の2番・阿内 涼太(2年、太田中)がショートをイレギュラーバウンドで越えるヒットで出塁するが、3番・川崎 進也(2年、瑞龍中)は初球をファーストファールフライ。4番・八木沢 英士(2年、峰山中、県北選抜)はセンターライナー。5番・和田の打席で一走・阿内が盗塁死してチェンジとなる。

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和田 凌吾(太田一)

 8回裏、霞ヶ浦は一死から2番・佐野 如一がセンター前ヒットで出塁し、連続四球で一死満塁のチャンスを迎えるが、5番・木村 翔大はファーストゴロ本塁封殺。6番・飯村 将太はセンターフライで決定的な追加点のチャンスを生かせない。

 1点差を追う太田一は、9回表、二死から見せ場を作る。2番・阿内 涼太がセンター前ヒットで出塁し、3番・川崎 進也が四球で繋いで1打同点のチャンスを迎える。場内は太田一ファンの大声援で4番・八木沢 英士を迎えるが、空振り三振に倒れ試合終了となる。

 霞ヶ浦が薄氷の勝利で2年ぶり6度目の関東大会出場を決めた。

 今大会の太田一の大躍進は、エース・和田 凌吾の力投あってこそ成し得たことだ。和田は左打者へのインスラ、右打者へのインストの精度とキレが抜群だった。捕手・萩谷 俊もインコースにどんどん要求して、打者をのけ反らせながら配球を組み立てた。ストレートの球速そこ130キロ前後だが、和田はコントロールの良さと抜群のキレを持ち、県大会の4試合を31イニング中自責点3というとてつもない成績で終えた。春以降もさらなる飛躍を期待できる好投手であり、今後も注目したい。

 勝利した霞ヶ浦は、エースの飯村 将太が無四球被安打4と、打線の援護がない中で奮起した。春先に関東一グラウンドで見た飯村は、制球が定まっていなかったが、その時とは別人のように頼もしいエースに成長していた。打線で元気なのは3番を打つ根本 将汰だ。この日も3打数3安打で、今大会、10打数7安打と手がつけられない。

 霞ヶ浦は次戦、決勝戦で常総学院と対戦する。常総学院に勝利するには、マークされる根本将以外の打者の奮起が欠かせないため、特に根本 薫や小川 翔平の打棒に期待したい。

(文=伊達 康)

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