【第97回兵庫大会展望】この夏も熾烈な戦い！ここまでの戦いと準決勝の見所を紹介！
私立、公立の実力差が少ない兵庫大会。ベスト4の顔ぶれを見ると、私立2校、公立2校が勝ち上がってきており、激戦の模様となっている。1回戦から準々決勝までの戦いを振り返りつつ、準決勝の見所をお伝えしていきたい。
1回戦から準々決勝までを振り返る竹村 陸（神戸国際大附）
1回戦から激戦が行われ、強豪・神港学園が龍野の左腕・香田一途に苦しみ、2回裏に先制を許すと、その後、8回表に同点に追いつき、9回表に2点を勝ち越し、辛勝する接戦があった。そして兵庫大会序盤のヤマ場は神戸国際大附と尼崎小田の一戦だ。尼崎小田の好投手・秃 保成に苦しんだが、中盤に攻略に成功し、6対2で逃げ切る。そして、その後も熱戦が続いた。3回戦では、科学技術が神戸弘陵に6対5で競り勝ち（試合レポート）、また東播工が3対0で東洋大姫路を破るなど、大会序盤から多くの激戦があった。
4回戦ではさらに戦いがヒートアップ。神戸国際大附は8回終了時点で神港学園に1対2で敗れていたが、9回表に同点に追いつき、延長11回表に勝ち越して3対2で競り勝った。また報徳学園が小野に4対1で辛勝（試合レポート）、そして春ベスト4の須磨翔風と兵庫県屈指の本格派右腕・松本 侑也擁する三田松聖が激突し（試合レポート）、6対4で須磨翔風が試合を制するというハイレベルな戦いを見せるなど、さらに盛り上がりを見せた。また県立伊丹が網干に2対1で勝利しベスト16入りするなど、公立勢の躍進も光った。伝統校・育英も、春3位の関西学院に7対2で快勝するなど、一波乱があった。
5回戦はどの試合も好試合だった。神戸国際大附は4対0で科学技術に勝利。明石商が育英に7対0でコールド勝ち。近年、力をつけている明石商だが、育英を圧倒する試合は衝撃的であった。須磨翔風が姫路南との延長10回の接戦を制しベスト8を決め、須磨友が丘が強豪・市川を延長10回に及ぶ熱戦の末、3対2で破る。さらにノーシードの滝川第二が春準優勝の社を1対0で破り、また春16強の西脇が豊岡を9対2で破り準々決勝進出を決めるなど、番狂わせが多かった。
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[page_break:準々決勝の見所]根来 祥汰 （滝川第二）
準々決勝では、神戸国際大附は津名に苦戦。津名とは春季大会でも9回に大量点を挙げ逆転し、10対8で勝利するという激戦を演じているが、この試合でも3点のリードを許す展開に。だが9回裏に追いつき延長戦に持ち込むと、10回裏にサヨナラ勝ちを収めた。また、明石商は報徳学園に4対1で勝利。今まで報徳学園に敗れることが多かったが、ついに先輩たちのリベンジを果たし、ベスト4へ勝ち進んだ。
滝川第二は攻撃力、機動力で須磨翔風を圧倒し、9対3で快勝。そして西脇もエース・藤本 翔大の快投で、2対0で須磨友が丘に完封勝ちし、ベスト4入りを決めた。
準決勝の見所神戸国際大附は4回戦、準々決勝とビハインドの展開から追いついて、延長を制するという粘り強い試合運びでベスト4進出を決めた。投打に能力が高い選手が揃うが、下位打線も、植村 真也のように試合展開が読めて、勝負強い選手が多いのが強みといえるだろう。対する明石商は本格派右腕・吉高 壮を擁する。神戸国際大附と十分に渡り合う球威と投球術を誇り、この試合も1点を争う好勝負が展開されそうで、どちらが終盤に底力を発揮できるかがカギになりそうだ。
滝川第二は俊足巧打の根来 祥汰を筆頭に左の好打者が多く揃い、エース友井 寛人も好投手。十分に3年ぶりの甲子園を狙える戦力だ。そして西脇は左腕・藤本 翔大を軸に守り勝つ野球を展開。打撃もクリーンナップを中心に振れる打者が揃い、得点力も高い。ポイントとしては滝川第二の本来のスピードを西脇が止められるかになるだろう。
今年は投打ともに総合力が高いチームが集結し、非常に見応えある戦いが期待できそうだ。今年の兵庫県は選抜出場無し。それだけにこの夏はどの学校もその悔しさを晴らしたいと願っている。最後まで手に汗握る試合を期待したい。
（文＝河嶋 宗一）
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