また、老子の言葉に「君子居則貴左」「吉事尚左」という言葉があり、これは、「平和なとき、良いことがあるときには左が貴ばれる」という意味で……。

「“平和な時代の商品だよ”、ということを思い出してもらえればいいんじゃないかということで、KINCHOはずっと左巻きです」

◆5)あの香りがどこか懐かしいワケ

 不思議なことに、蚊取り線香の匂いをかぐと懐かしい気持ちになりますよね。KINCHOの蚊取り線香には、天然除虫菊の花の搾りかすが加えられていて、あの郷愁を誘う香りができているのだそうです。

「世界中の蚊取り線香をみると、安い燃える粉と安い糊粉を使って有効成分を添加しているものが大半です。そういう商品は、粉の特有の匂いがする。

 でも当社では、あまり臭わない木の粉を選び、天然の除虫菊の搾りかすを入れることで、開発当初と変わらない香りを作っているんです」

 では、なぜ除虫菊の香り=KINCHOの蚊取り線香の香りは落ち着くのでしょうか。

「除虫菊の葉にある『青葉アルコール』が花にあがってきて、菊酸と合成されて有効成分『ピレトリン』ができるのですが、これが燃えるときに青葉アルコールの香りが出ると考えられています。青葉アルコールは、さわやかさを感じさせる香り成分でもあるんです」

◆6)いまどき、天然原材料&国内自社工場生産

「元祖・蚊取り線香の香りを守っている、頑なな意固地な会社」と上山専務は笑いますが、その秘密は、すべて国内自社工場で生産していること。

「たとえば、暑い国のほうが匂いはたちますよね。つまり、海外で作ったら香りのチェックをしようがない。天然除虫菊の花の搾りかすに、茎が混じると匂いが変わってしまうのですが、当社では、原料の段階でこうしたこともチェックをしています。

線香のきめの細かさも、職人が触って『これちょっと粗いんちゃう?』とチェックします。スタンダードを知る人が品質を守る。そのためには、国内生産であることは重要なんです」

⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=287788

◆7)金鳥という鳥はいない

 ひょっとしたら、KINCHO=金鳥という鳥がいると思っている人はいませんか?(私は思っていました……)

 しかし、金鳥はニワトリ。司馬遷の『史記』にある故事成語「鶏口牛後」が由来なんだそうです。「牛のしっぽになるくらいだったら、小さくても鶏のトップになれ!」っていう有名なあの言葉です。金鳥は、金メダルの鶏のことだったのです。

 戦う強い鶏、闘鶏が当初のイメージだったようで、1910年の商標登録の際のイラストは……なんか、怖い!

⇒【画像】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=287796

 さらに、KINCHOはあくまで商標で、正しい社名は「大日本除虫菊株式会社」。また、正式な商品名は「蚊取り線香」ではなく「金鳥の渦巻」なんです!

 除虫菊へのリスペクト&渦巻き型の元祖という自負を感じます。

 さて、いくつ知っていたでしょうか? この夏の蚊対策は、これで万全ですよね!

<TEXT/女子SPA!編集部>