会員数300万人以上を誇る、国内最大のSNS(ソシアル・ネットワーキング・サービス)、「mixi(ミクシィ)」。ネットではなく「オフ会」参加のため、「朝から晩までSNSをやっていないと気が休まらない」という依存症気味の人が結構多い。

   SNSでは自分の知人を登録することができるが、ミクシィで登録された自分の知人の事を「マイミクシィ」、略して「マイミク」という。マイミクは1,000人まで登録することができ、見事「マイミク1,000人」を達成した人がいる。一体どのようにして集めたのだろうか。登録した「知人」が1000人

前田さんのミクシィのトップページ。「マイミク」経由で、数多くのオフ会に参加する
前田さんのミクシィのトップページ。「マイミク」経由で、数多くのオフ会に参加する

   その一人が、都内のIT企業に勤める前田大さん(30)だ。前田さんのブログによると、前田さんがミクシィを始めたのが2004年6月13日。05年3月2日時点でのマイミク数は122人にとどまっていたが、現在のマイミク数が1,000人。1年3ヶ月あまりで、約8.2倍に増やしたことになる。
   ポイントは「オフ会」や「イベント」にあるという。「オフ会」とは、ネットワーク上で知り合った人が、実際に会合を持つこと。前田さんのブログによると、参加するオフ会は、以下のようなパターンに分かれる。

「参加費の安いところ(無料〜4000円以内)
・何度も参加している(=安心できる)コミュニティーのイベント
・食いもの系
・地域系イベント」

   参加したオフ会の数、04年6月〜06年5月の累計でざっと376回。ほぼ2日に1回のペースだ。オフ会にひんぱんに顔を出し、知り合いを作り、その知り合いをきっかけに新たなオフ会に参加し…、という具合で、参加回数が増えていく。こんなに「オフ会三昧」で、日常生活に支障は出ないのだろうか。前田さんはJINビジネスニュースの取材に対し

「平日は夜に行くのと、休日はかけもちが多いので、殆ど支障ないです」

と答える。前田さんの「マイミク」は、自身のブログで前田さんが「オフ会」に参加する様子を以下のように紹介している。

「『今日はトリプルヘッダー』とか『今日はまだ次がある。4ヶ所目かな』と普通の人が聞いたら意味不明な顔を間違いなくするトークを平然とかます」

「リアル」の知り合いを大切にしたい、という思い

   前田さんはこう話す。

「何度も顔出していくと知ってる顔だらけになるので、また顔出したいというのがありますね」

   別の「マイミク1,000人」を達成した人も、オフ会に参加する理由として、同様に「日記やオフなどを通じてリアルの友人を増やしたい。麻雀仲間を増やしたい」
と答えている。「雑談」を通して、オンラインをきっかけにできた「リアル」の知り合いを大切にしたい、という思いのようだ。

   ここまでくると「ミクシィ依存症」なのではないか、という声も出てきそうだ。前田さんは「朝から晩までSNSをやっていないと気が休まらない」と言い、別の「マイミク1,000人」の人は、「依存はしていないが24時間フル活用しています!(笑)」という。その一方で、さらに別の「マイミク1,000人」の人からは「依存症かと言われればそうかもしれないが、元々やりたくて始めたわけではないので、無くなったら困るということはない」との声もあがる。

   「ミクシィ依存症」というよりは、「マイミク」と顔を合わせるための「オフ会依存症」と言った方が良いのかも知れない。