惣菜と外食の専門見本市「ファベックス2005」(日本食糧新聞社主催)で展示されていたリコー機器株式会社(東京都北区)の「クリーンフライヤー」。

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天ぷら油の下で金魚が泳ぐ。

 耐熱金魚? そうではありません。

 「水と油」と言えば、正反対のものを表す慣用句だが、両方の特性をうまく利用することで、天ぷらがおいしく揚がる不思議な天ぷら槽がある。

 水の上に油が浮く特性を利用して、油の層で天ぷらを揚げる。天ぷらの味・色・香りを損ねる揚げかすは水の層に沈むため、焦げた油が天ぷらに付着したり、油の中に残ることもない。廃油量が極めて少なくなり、油をろ過する手間も省け、油の使用量が今までの半分以下になるという。

 油層の中の管で油を熱し、油層と水層の間に気筒で空気を送って冷却して、油と水の接点を55度に保つ仕組み。水の温度はほとんど上がらないため、水中で金魚が泳いでも平気。また、この油に水を注いでも、水が沸点に達する前に油層を通過するので、はねることもない。

 はねるのは金魚だけ。熱ッ!【了】