大久保の名前に記者どよめき、ザックジャパン・メンバー発表
1年ほど前、チーム関係者が笑いながら言っていた。
「ザックジャパンにサプライズはありませんよ」
これまでの起用を考えても、基本となる選手は2011年アジアカップのころから変わらない。そこで作った設計図にFW陣の手直しを加えながら、ザックジャパンはワールドカップへの最後のメンバーを決定した。
5月12日、14時からのワールドカップに挑むメンバーが発表された。報道受付は13時スタートの予定だったが、13時の時点ですでに待機列が別の会まで延びるほどの大盛況。結局、テレビのスタッフは13時5分、カメラマンの受付が13分、記者の受付は20分にまで延びた。13時48分の時点で集まった報道陣は395名。会場は熱気に包まれた。
13時55分、日本サッカー協会が発表の段取りを説明する。原博実専務理事兼技術委員長の話の後、ザッケローニ監督がコメントし、その後ポジション別に選手が発表されることになっていたが。背番号は25日の壮行会にて発表するということだった。
過去のザッケローニ監督のメンバー発表会見に出てきた中で、一番緊張した表情を見せていたのはワールドカップ予選、北朝鮮戦を前にしたときだった。14時、時間どおりに登場したこの日のザッケローニ監督は、そのときよりもはるかに落ち着いた様子だった。
発表前に記者仲間の間でささやかれていたのは、大久保がサプライズではないかということ。原委員長、監督のコメントに続いて選手が読み上げられる。
発表はイタリア語だが、名前だけは誰もが分かる。ザッケローニ監督が名前を読み上げるごとに、満員に膨れ上がったホテルの会見場ではキーボードを叩く音と、フラッシュ音が鳴り響いた。
伊野波と森重が呼ばれたときは、少しざわついた。青山でどよめきが起き、大久保で大きな声が上がった。齋藤のときも声が上がったが、大久保の時ほどではない。「オザコ」という名前に会場は少し混乱したが、その戸惑った顔を見た通訳の矢野大輔氏が監督に耳打ちし、「大迫」と名前が再び呼ばれる。
クオリティ、才能、チームの和を大切にするグループ力……、ザッケローニ監督は選考基準を語る。複数のポジションをこなせることも選考の要因だった。インテンシティをこなせることも大切だと監督は語った。同じ実力なら若い選手を選択した、ということから、選ばれたベテランは傑出した力を示したということだ。
大久保の選考など、サプライズはあった。しかし、選考された選手には、しっかりとした基準を満たしていた。その意味では、本当の意味での「サプライズ」ではない。232試合を視察し、最後のメンバーを選考したザッケローニ監督に、やはりサプライズはなかった。
【取材・文/日本蹴球合同会社 森雅史】
【関連記事】
・大久保嘉人、天に届いた願い
・W杯日本代表メンバー23人を発表! サプライズは大久保、青山
「ザックジャパンにサプライズはありませんよ」
これまでの起用を考えても、基本となる選手は2011年アジアカップのころから変わらない。そこで作った設計図にFW陣の手直しを加えながら、ザックジャパンはワールドカップへの最後のメンバーを決定した。
5月12日、14時からのワールドカップに挑むメンバーが発表された。報道受付は13時スタートの予定だったが、13時の時点ですでに待機列が別の会まで延びるほどの大盛況。結局、テレビのスタッフは13時5分、カメラマンの受付が13分、記者の受付は20分にまで延びた。13時48分の時点で集まった報道陣は395名。会場は熱気に包まれた。
過去のザッケローニ監督のメンバー発表会見に出てきた中で、一番緊張した表情を見せていたのはワールドカップ予選、北朝鮮戦を前にしたときだった。14時、時間どおりに登場したこの日のザッケローニ監督は、そのときよりもはるかに落ち着いた様子だった。
発表前に記者仲間の間でささやかれていたのは、大久保がサプライズではないかということ。原委員長、監督のコメントに続いて選手が読み上げられる。
発表はイタリア語だが、名前だけは誰もが分かる。ザッケローニ監督が名前を読み上げるごとに、満員に膨れ上がったホテルの会見場ではキーボードを叩く音と、フラッシュ音が鳴り響いた。
伊野波と森重が呼ばれたときは、少しざわついた。青山でどよめきが起き、大久保で大きな声が上がった。齋藤のときも声が上がったが、大久保の時ほどではない。「オザコ」という名前に会場は少し混乱したが、その戸惑った顔を見た通訳の矢野大輔氏が監督に耳打ちし、「大迫」と名前が再び呼ばれる。
クオリティ、才能、チームの和を大切にするグループ力……、ザッケローニ監督は選考基準を語る。複数のポジションをこなせることも選考の要因だった。インテンシティをこなせることも大切だと監督は語った。同じ実力なら若い選手を選択した、ということから、選ばれたベテランは傑出した力を示したということだ。
大久保の選考など、サプライズはあった。しかし、選考された選手には、しっかりとした基準を満たしていた。その意味では、本当の意味での「サプライズ」ではない。232試合を視察し、最後のメンバーを選考したザッケローニ監督に、やはりサプライズはなかった。
【取材・文/日本蹴球合同会社 森雅史】
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