台湾で、インターネットで3日に公開された「ドイツの男が台湾を“大っ嫌い”な3つの理由」と題する動画が注目を集めている。7日午後4時までに閲覧回数は36万回を超えた。カメラに向かってドイツ人という若い男性が、「台湾を大っ嫌いな第1の理由は人々がフレンドリーすぎること。おかげで道を覚えられない」、「食べ物がおいしすぎる。ぶくぶくに太ってしまう」、「自然が美しすぎる」などと述べ「(ドイツに)帰りたくないんだよ。これ以上ここにいたら、ママに殺されちゃうよ」などと、台湾のすばらしさを“批判”した。

 3日に公開され、2日間で閲覧回数は5万を突破。その後、台湾のテレビで紹介されたこともあり、7日午後4時までに閲覧回数は36万回を超えた。

 画面ではワイシャツにネクタイ姿の若い男性が、「台湾に来て、ずいぶんたつけど、台湾が本当に大っ嫌いな3つの理由があるんだ。それは人、食べ物、自然さ」と話しはじめる。「ドイツ人」と紹介されているが、男性は英語で語っており、中国語と英語の字幕がつけられている。

 男性はまず台湾人について「フレンドリーすぎるのさ」と述べ、「いつもボクに、何か困っていることはないかと尋ねてくる」、「道に迷うと、きっと教えてくれるんだ。だからボクは、また(同じ場所で)道に迷うことなる」と“不満”を語った。

 次に台湾の食べ物を“批判”。「台湾の食べ物は、おいしすぎるんだ」、「これ以上食べたら、ぶくぶくに太ってしまう」と述べた。

 男性の話す言葉の一部は、「放送禁止用語」をカットするように信号音をかぶせられている。やや下卑た口語表現で、台湾人の性格のよさや食べ物のおいしさを強調した部分をカットすることで、面白さを演出したと思われる。

 同男性は最後に、台湾の自然の素晴らしさに言及。「あまりにも美しすぎる」と述べた上で、「(ドイツに)帰りたくないんだよ。これ以上ここにいたら、ママに殺されちゃうよ」と“ボヤい”てみせた。

 動画投稿の「仕掛け人」は、Jonny(ジョニー)と名乗る20代の台湾人。学生が大陸とのサービス貿易協定への抗議活動を続けていることが動機だった。まず、騒ぎに接したら、台湾に来た外国人は驚くだろうと思った。次に、将来についてあせりを感じている台湾の若者に「外国人が台湾を素晴らしいと思っていることを知らせたかった」、「そうすれば、この小さな土地に暮らす台湾人は、自らにさらに自信を持つようになる」と考えという。

 投稿の動画では、発言したドイツ人という男性と台湾人の友人とくつろぐ様子や、緑が美しい台湾の空撮写真も、短時間であるが紹介されている。

 同動画は台湾のテレビで紹介された。7日午後4時までに閲覧回数は36万回を超えた。

 中国メディアの中国新聞社も同話題を紹介した。中国メディアは台湾の学生らによる「サービス貿易協定反対運動」を否定的に扱う場合が多いが、中国新聞社は「外国人にも台湾のすばらしさが評価された」と、台湾メディアと同様の紹介をした。(編集担当:如月隼人)