ベトナム近海で8日に消息を絶ったマレーシア航空370便について、米国の中国語メディア「博訊」は9日、「中国烈士旅団の主導者」を名乗る人物からの「声明」を掲載した。同文章には冒頭で、マレーシア航空370便が消息を絶ったことについて「重要な情報を伝える」としたうえで、政治事件であると断言した。

 しかし、「犯行声明」かどうか真偽は明らかになっていない。

 また、「中国烈士旅団」とはどのような組織なのかも不明だが、中国語で烈士とは「革命や戦争で命を失った革命家、軍人を指す」ことが一般的だ。

 博訊が掲載した「中国烈士旅団の主導者による声明」には、マレーシア航空370便が消息を絶ったことには2つの原因があるとし、1つは「われわれ(中国烈士旅団)がマレーシア当局から受けた残酷な迫害に対する報復」であり、もう1つは「中国当局がウイグル族を鎮圧・迫害したことに対する回答」と記されていた。

 さらに、3月1日に雲南省昆明市で発生した無差別殺傷事件について、「昆明市での事件は、中国当局が新疆ウイグル自治区でウイグル族を蔑視し、処刑していることが原因で発生した事件でありながら、中国当局は昆明市でウイグル族の戦士を射殺した」と主張。マレーシア航空370便が消息不明となったことは、昆明市で発生した流血事件の結果にもたらされた事案であると記述されていた。

 続けて、「中国政府は自国の民族政策と人権問題を反省すべきであり、異民族に対する迫害を即座に停止せよ」とし、昆明市で発生した無差別殺傷事件で拘束されたウイグル人を即座に釈放せよと主張した。

 一方、雲南省の李紀恒省長は9日、マレーシア航空370便が消息を絶ったことと、昆明市の無差別殺傷事件を結びつける証拠はないと主張しており、「中国烈士旅団の主導者による声明」の真偽は依然として不明だ。(編集担当:村山健二)(画像は「CNSPHOTO」提供)