「精液を飲むと肌がキレイになる」は本当か?
H系都市伝説のひとつ、「精液を飲むと肌がキレイになる」。AVのなかでは日常的に出てくるセリフで、なおかつ「クレオパトラの美貌の秘密」なんていうもっともらしい伝説もあるほど。
誰もが一度は聞いたことがあるであろうこのウワサは、はたして事実なのだろうか? 日本受精着床学会会員であり、つじクリニック副院長の助川玄氏に聞いてみた。
「精液の主成分はタンパク質なので、大量に飲めば影響があるかもしれませんが、1回に放出する精液の量は1.5〜5ミリリットルと微量です。食事で摂取できる量と比べると非常に少ないため、実質的に効果はないと思われます。
また、精液にエストロン、オキシトシン、セロトニンなどの物質が含まれているため、飲むと幸福感を得られるという噂もあるようですが、こちらも量的に考えてその効果は期待できません。精液を飲むことで女性が幸せを感じたとしたら、そのコミュニケーションによりふたりの関係がより良好となった結果でしょう」
ということで、医学的には精液を飲むメリットは見つからず……。では逆に、おなかを壊すなどのデメリットがあったりして?
「飲んだ精液は消化器官で消化・吸収されるので、体調不良やアレルギーがない限りおなかを壊す可能性は低いです」(助川氏)
精液を飲むこと自体にはデメリットもないようだ。ただし、ほかに気をつけてほしいことがあると助川氏は警告する。
「飲精ではないのですが、口淫による性病の感染には気をつけないといけません。梅毒、淋病、クラミジア、ヘルペスなどは性器から口腔内、また口腔内から性器にもうつります。女性の淋病感染者の10〜30%、クラミジア感染者の10〜20%に口腔内でも感染が見られるという報告があるので、注意してほしいですね。また、口内に傷がある場合はHIVに感染する危険性があることも忘れないようにしてください」
20〜30代の男性500人に行なったアンケート調査によると、約40%の男性が「女性に精液を飲んでほしい」という願望を持っていることが判明した。結局、「飲精の美容効果」は、あわよくば精液を飲ませたいと思っている男性にとって、都合のいい都市伝説に過ぎなかったようだ。
■週刊プレイボーイ48号「飲精という性文化について、真剣に考えてみる!!!」より