前出の関係者が言う。
 「最も注目されているのは、細川内閣を樹立した細川護煕元総理との連携です。現在、政界を引退した細川氏は京都造形芸術大の学園長などをしているが、根っからの脱原発論者で、同じ志の者と会合を重ねているのです。小泉氏はこの細川氏とすでに密会しており、早々に勉強会を立ち上げるとの話が漏れ聞こえている。これが実現すれば、自民、民主、みんな、維新などの野党から相当な参加者が集まるはずなのです」

 また、前出の自民党消息筋もこう話す。
 「もしも、小泉氏が細川氏と勉強会を立ち上げれば、脱原発に執念を燃やす生活の党の小沢一郎代表も共闘するはず。野党再編が起こり、新党立ち上げに動くことは必至なのです。小泉氏が狙っているのはまさにそれで、政界復帰、余勢を駆った総理再登板を最終目標としているのです」

 この自民党消息筋によれば、その際に民主党以上の草刈り場となるのは、他ならぬ自民党だという。なぜなら、今や小泉氏の「脱原発」には7割近い有権者が賛成しており、この世論に抗えば、次期選挙で落選の憂き目を見るはめに陥りかねないからだ。
 「そのため、自民党内では安倍総理や石破幹事長を筆頭に、ベテラン議員らが小泉氏の動きを警戒し続けている。もしも、新党設立に動き出せば、地盤が不安定な若手は雪崩を打って参加しかねず、原発推進を掲げたままでは次期選挙で敗北することは目に見えているからです」(前同)

 もっとも、血気盛んに「脱原発」を訴える今回の小泉元総理の動きには、別の裏事情が絡んでいるとの声もある。内幕を語るのは、国際アナリストだ。
 「もともと小泉氏は、ブッシュ前大領領の別荘に招かれたほどの圧倒的な親米派。ところが、オバマ大統領との仲が“冷めたピザ”のようと言われる安倍総理は、北方領土の二島返還交渉で、急速にロシアに傾倒しているのです。実際、安倍は今年に入りすでに4度もプーチン大統領と会談。さらに頻繁に電話会談も行っているという。このため、小泉氏の仕掛けた脱原発論争は、一部では米ロ間の代理戦争ともっぱらなのです」

 ちなみに、ロシアが以前から日本に天然ガスを売り込みたい思惑があることは、有名な話。
 だが、その一方でシェールガス大国となった米国はこれを日本に輸出し、次期エネルギー政策の柱に据えさせようと密かに画策しているのだという。
 そのため、今回の騒動の裏には、米国が親米派の小泉元総理の政界復帰、総理再登板を焚き付けた可能性が指摘されているのである。

 前出の自民党消息筋がこう語る。
 「確かに小泉氏がなぜ脱原発発言を始めたかについては、“米国の後押し説”が絶えない。だが、それに乗り出した以上、野党再編が視野に入っていることは確実なのです。そのため、永田町では『新党を立ち上げれば、1月後には自民党議員の半数近くが合流し、同党が崩壊しかねない』と指摘する声も多いのです」

 師走に向けて急ピッチで存在感を増す小泉元総理から、俄然目が離せなくなってきた。