サンフレッチェ広島戦は2-0で勝利。

 完勝だったと思います。
思えば、風間監督にとって等々力での初陣で完敗した相手が広島でした。あれから約1年半。あのときは全くと言っていいほど歯が立たなかったリーグチャンピオン相手に対して、自分たちのサッカーを確立した上で勝つことができました。風間監督のもとでチームが力強く成長していること、そしてその方向性が間違っていないことを示した試合だったのではないでしょうか。

・・・とまぁ、書きたいことは盛りだくさんあったので、この広島戦の詳細に関しては、フットボールチャンネルで原稿を書かせてもらいました。書きたかったことをほぼ全部書きましたし、どこよりも読み応えあるマッチレポートになった自負もあります。近日中に掲載されると思いますので、お楽しみに。

「風間サッカーとはなんぞや」みたいなことをいまだに聞かれることがあるのですが、風間監督が選手に求めている約束事は、「ボールを失わないこと」、そして「ゴールに向かうこと」だけです。これは練習初日から全く変わっていないんですよね。

 それが技術的、意識的にも選手に浸透したことで、自陣で[5−4−1]で守る広島のような相手からも完全に崩して点を取れるようになってきました。広島の守備は鉄壁ですが、あれだけスペースがない狭いエリアであっても、相手の逆を取りながらボールを受けることでプレッシャーをもろともせずにサッカーをしてしまったわけです。「止める」、「蹴る」を追求し、それをチーム戦術として機能させてしまったのですから、恐れ入ります。それが体現できている試合は、だいぶ面白いサッカーになってきたんじゃないでしょうか。

「ボールを大事にする」という点に関していえば、広島戦ではこんな場面がありました。

 前半の29分のことです。
フロンターレが右サイドのタッチライン際での何気ないパス交換をしていたところ、バックパスを佐藤寿人選手に狙われて、ボールを失った場面があったんです。このパスの出し手だったのは、中盤に下がっていた大久保選手でした。

 次の瞬間、彼はどうしたかというと、物凄い勢いでボールを奪い返しにいったんですよ。結局、逆サイドにいる左サイドのファンソッコを全力で追いかけて行って、ペナルティエリア前まで戻って守りました。絶対にボールを失ってはいけない場面でのミスだったのは確かですが、ボールを取られた後のあの責任感は「さすがだな」と感服した次第です。


「本物のトッププレイヤーからボールを奪うのはそれほど難しくない。でも、奪った後が怖い。どんなことをしても取り返してくるから」


 あの場面を見て、風間監督の著書「日本サッカーを救う超戦術」にそう書いてあったのを思い出しました・笑。ボールは大事なもの。だからこそ、大事なものを奪われたら、殺気立って取り返すわけです。この試合は珍しくゴールがなかったため、試合後のミックスゾーンに現れたときも、「今日は何もないっすよ」と笑ってましたが、実はゴール以外のプレーもなかなか見応えがありますよ。

 ミックスゾーンではもうひとつ。
試合後、稲本選手を取材していると、「チームの成長の証」というフレーズを使っていました。そこで「去年、風間監督で最初の試合が広島で、そのときと比べたときのチームの成長というのは…」と質問を切り出したところ、かなり食い気味に「いや、あのときはセンターバックだったから!あれ以来、やってないし!」と笑って即答してくれました・・・・やっぱり、気にしていたんすね・笑。

 リーグ戦は残り9試合となりました。ナビスコカップもまだ残ってますし、シーズン終盤は楽しみが残っているというのはいいものです(天皇杯も)。

 あと最近は、ファイフロ出演効果で、サポーターに声をかけてもらう機会がとても増えました。ありがとうございます。「握手してください」的なのは、遠慮なくどうぞ・笑。