お魚を切る際に活用。嫌なニオイが手に付かない。

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先日、いわゆる“カリスマ美容師”についての特集がテレビで放映されていた。いやぁ、あの鮮やかな手さばきは見ているだけで本当に痛快! ハサミが、まさに自身の手みたいに動いてるんだもの。体と道具が、もはや一心同体になったかのような連携プレー。見事でした。

ところで、我々の日常生活において。何かしら、道具を使う場面に出くわすと思うのです。ものを書く時はペンを手に取るし、wiiで遊ぶ時はリモコンを手に取る。どんな時も、道具を上手く使いこなしたいですなぁ。
あと、これだってそうだ。調理中も、自分のスキルの見せどころ。手際よく、サクサク、テキパキ、用具を使いこなしたいわけで。『世界の料理ショー』のグラハム・カーみたいな達人になりたいですよ!

そこで、この道具の登場でしょうか? オークス株式会社が今年の8月より発売している『ゆびさきトング』は、その名の如きキッチンツール。要するに、指の代わりに食材を掴んでくれるトングだそうです。
っていうか、それ普通じゃん! ……いやいや、普通ではないのです。
「手の平にすっぽり収まり、指先感覚で食材を掴めます。魚などをしっかり掴める幅がありつつ、先端は薄切り肉を一枚めくれるよう細くなっています」(同社・担当者)
要するに、自分の指のような感覚で自然に食材を挟むことができるらしい。

あと、もう一つ。この商品が開発されたきっかけについても注目したい。
「調理中は、色んなことを同時進行。肉を触ったり、天ぷらの衣をつけたりする度に何度も手を洗うのが面倒! という思いから、指の代わりにつかめるトングを開発しました」(担当者)
それだけじゃない。どうやら、女性からのニーズが多数寄せられていたそうだ。特に、「ネイルアートを汚したくない」という声が。そこで、手の汚れを防ぎながら違和感なく食材を掴めるアイテムの開発に同社は着手した。

なるほど、ちょっと良さそうだな。じゃあ、いっちょ試してみようかな。……というわけで、例によって商品を取り寄せました! 実際に、掴み心地を体感してみたいのです。残念ながらネイルアートを施していない私ですが……。
さて用意したのは、まずは揚げ物系。脂っこいものって、触りたくない時があるものねぇ。あと、掴みにくい豆類。コロコロしてるし、ヌルヌルしてるし、箸で掴むのも難儀な食材。わざとハードルを上げ、その良さを確認してみようと考えたのです。

では、まずは揚げたてのとんかつでお手並み拝見! じゃあトングを手に取って、行きますよ? ……ハイ、掴めた。いや、掴めるのは当たり前なんですが、まるで親指と人差し指をそのまま使い、摘んでる感触なのです。当然、この場合はトングの右側が親指で左側が人差し指の役目を果たしている。また、熱々をまな板に移してトングで押さえて切れば、手は熱くないし汚れもしない。
さっ、続きましてはお豆さんにチャレンジ! これは、かなり難しいと予想します。……と思いきや、いとも簡単に。もしかしたら、さっきの揚げ物の時より楽かも。小さい食材の際に、より効果を発揮するのか? まるで、直に指でヒョイッとつまみ上げてるみたいなんです。例えて言うならば、球状のチョコをつまんで頬張るような、あんな感覚なんですよ。へぇ〜、これは驚き。
「目指したのは、女性の手の平にサッと収まり、まるで指先の延長のように小回りの利くデザインです」(担当者)

それにしても、どうしてこんなに掴みやすいのだろうか?
「金物の街・新潟県燕三条で作られている国産のトングで、バネに細やかな気配りがされています。短いトングは開閉が硬くなる傾向がありますが、このトングは柔らかくて耐久性があり、特許取得の特殊加工を施してあるので、女性やお子様でも軽い力で使えるようになっています。柔らかいバネはすぐにヘタってしまいますが、このトングはバネ性が長持ちします」(担当者)
そんな努力の甲斐あってか、同社には熱い反響が届いている模様。「アッツアツに加熱した食材を自分の手の代わりにラクラク掴んでくれます」、「“キッチンのピンセット”という感じで、バネが軽い!」といった声が寄せられているとのこと。調理中のちょっとした「触りたくない」時のアイテムとして共感を抱かれているようだ。

そんな『ゆびさきトング』は、一般家庭だけでなくプロの調理人にも重宝されている。
「今までは、特にご年配の方からのご注文が多いです。また薄切り肉を剥がしにくいから購入したいというお客さんも多く、お肉屋さんからも注文が来ました」(担当者)

現在は、全国の東急ハンズ、一部のキッチン雑貨専門店、オークスネットショップ(http://ans8.jp/SHOP/150500.html)にて、このトングを購入することができるという。価格は1,365円(税込み)。

美味しい食材には、中には臭いがキツかったり、ヌルヌルしてたり、ベタベタしてたり、曲者も少なくない。どうせならそんな嫌な部分は飛び越して、美味しいテイストだけを我のものにしたいのですよ。要するに、“美味しさ”だけを掴み上げるトングでもあります。
(寺西ジャジューカ)