ツイッターはメディア企業かIT企業か――よく聞かれるが、この設問は誤っている。

 企業を区別するより良い基準は、その企業が顧客に製品を売る企業か、ユーザーを広告主に売る企業か、だろう。

 両方のビジネスを手掛けている場合もある。たとえばグーグルは、検索やGメール、マップ、ドックスなどのサービスで多くのユーザーを引きつけ、そのユーザー向けの広告を企業などに販売するのがメインのビジネスだ。だが同時に、広告抜きのオンラインサービスを有料で提供する企業顧客向けのビジネスもある。

 そしてツイッターは、明らかに広告主体のビジネスモデルにシフトしようとしている。私は、それよりもっといい方法があると思う。

 私のツイッターのタイムラインは今でも、実質的に広告としか言いようがないツイートで埋め尽くされている。その元凶は、私自身のような人間、つまり自分の最新記事のタイトルを告知しリンクを流すジャーナリストたちだ。他にもありとあらゆるメディア関係者、有名人、そして売り出し中の作家や評論家たち。自分の居場所を知らせる屋台や、スペシャルメニューや特典を宣伝するレストランもある。大企業でも今どきは、PRや市場調査のためにアカウントの1つや2つは持っている。

一般ユーザーには無料かつ広告なしで

 つまり、ツイッターの画面に大小の広告スペースを増やしてクライアントに売るまでもない。すでにツイッターを広告ツールとして活用している多くのユーザーや企業に、サービスの利用料を払ってもらうほうがよほど確実だろう。

 ツイッターの顧客構造は、従量別定額課金モデルにぴったりだ。

 ツイッター利用者の大半の人々はめったにつぶやくこともないし、フォロワーも少ない。それをことさら増やす気もない。

 対極には、少数派だが意図的にマスフォロワーを率いるヘビーユーザーがいる。そう、私のような人間だ。ツイッターは、我々に課金すればいい! 

 フォロワーが500人未満のユーザーは利用を無料にし、それからフォロワー数によって段階的に利用料を上げていく。お金を払うくらいならフォロワーは500人未満でいいというユーザーが大半だろうが、苦労して2万人ものフォロワーを開拓した人は大きな価値をツイッターから得ているに違いなく、きっとその代価も払うだろう。

 一般ユーザーにも大きなメリットがある。プロユーザーがお金を払ってまで活用する優れたサービスを、無料かつ広告抜きで使えるようになる。

(c)2012, Slate

マシュー・イグレシアス